飛行機の構造体、燃料電池の基材、電車のパンタグラフ……これらには、共通して“ある素材”が使われています。それは、強度はもちろん導電性も高く、軽量で、化学的に非常に安定しているのが特長です。これを専門に製造・加工している『穴織カーボン株式会社』が、延べ3年の月日を費やして開発した無水調理鍋シリーズ『Anaori Carbon POT』。そう、その“ある素材“とは、カーボンのことです。
多くの人の技と経験で完成した、マスターピース。
思わず触れたくなるような滑らかな曲線、目にも鮮やかな色合い、独特の存在感。調理器具というよりインテリアのような出で立ちの『Anaori Carbon POT OVAL』は、デザイン界のオスカーと言われる『if DESIGN AWARD 2017』、世界三大デザイン賞の1つである『red dot award 2017』、さらにドイツ政府主催の『GERMAN DESIGN AWARD WINNER 2018』と輝かしい賞を3つも獲得しました。
もちろん、デザインだけが認められたわけではありません。素材や機能においても、徹底的にこだわり抜いた逸品なのです。
高い圧力をかけながら3000℃以上の高温で焼いて約100日かけて形成された、純度99.9%の炭素体・カーボングラファイト。その高価値なグラファイトを、職人が1つ1つ削り出し、密閉性の高い鍋をつくりあげていきます。この構造と、カーボンの持つ優れた熱伝導性、そして抜群に高い遠赤外線効果とが相まって、かつてない程の旨みを、食材から引き出すことを可能にしました。さらに、鍋底は液体が対流するよう隆起させ、蓋は水蒸気が落ちるよう、巧みに設計されています。「炊く」「煮る」料理に強いプロダクトなのです。
「キッチンやテーブルと調和する力強いシンプリシティーを大切にしながら、使うほど愛着の湧くレトロな味わいと新素材の未来を感じるフォルム、美しい仕上げ」にこだわったデザインは、工業アートクリエイター・川合辰弥氏によるもの。長方形の角を削ったようなフォルムは『スーパー楕円』と呼ばれており、多くのプロダクトデザイナーによって、さまざまなものに採用されてきました。その最も美しいとされるかたちが、高度な技術によって、調理器具のデザインとして見事に再現されたのです。
目を惹くビビッドカラーも、一朝一夕の色付けでできたわけではありません。カラーコーティングは初めての試みだったため、他分野の専門家の協力を得ながら、試行錯誤を繰り返したといいます。
さらに、蓋の取っ手部分は単なるステンレス製ではなく、ノーベル賞の晩餐会で使われているカトラリーを手がけている職人が研磨し、仕上げているとのこと。
穴織カーボン株式会社は、細部までとことん最高の技と品質にこだわり、愚直なまでに、ものづくりの姿勢を貫いているのです。
「カーボンで焼くとなんでも美味しくなる」という創業者である父の言葉が原点だという、現社長。その可能性にいち早く着目し、長きに渡る研究と開発を続けてきた同社がまったく新しい分野に挑み、ようやくかたちにできたのが、『Anaori Carbon POT OVAL』です。温故知新ともいえるこのプロダクトで、今よりもっと“美味しい”が溢れた生活を送ってみてはいかがでしょうか。
Anaori Carbon POT OVAL
純度99.9%のカーボングラファイト(炭)を削り出した無水調理鍋。
異次元の熱伝導率、桁違いの遠赤外線放射、0.01mm精度の加工技術で削り出した密閉性、肉厚構造の蓄熱、これらの特徴が、料理の美味しさに革命をもたらします。
素材:カーボングラファイト(蓋の取っ手:ステンレス)
内面:セラミックコート
外面:耐熱塗装
大きさ:外径…21.5cm、高さ…14.5cm
容量:2.7L(満水時)
重さ:2.7kg
公式サイト:
(価格・ラインナップは2017年11月現在のものです)
¥75,600(税込)