vol.05 ミュージシャン夫婦からの依頼

新年あけましておめでとうございます! ねおみのるです。年末年始の謎の落ち着かなさってなんだかいいですね。



まあ、細かいことは置いといて今年は色々とやっていくつもりなので頑張るしかないな、という感じでございます。


さてさて、今回は奥さんがシンガー、旦那様がピアニストというミュージシャン夫婦からのご依頼。夫婦ともにミュージシャンって案外少なかったりするのかしらん。

肝心の依頼は、奥さんはウォークマンケース、旦那様はリストバンドというなんともミュージシャンらしい内容。まず今回は奥様の方のウォークマンケースを作っていきますよー。

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はい。これが使用しているウォークマンだそうです。

さすがかなり使い込まれていますね。サイズを聞くと縦約9.5cm、幅約5.2cm、厚さ約1cmというところだそうです。

僕は普段、音楽はスマホで聞いていて、ウォークマンに久しく接していないのですが最近のはこんなに小さいのか……。

小学校の頃、カセットテープの太くて頑丈なウォークマンを肌身離さず持っていたのが懐かしい……。あの時は野を駆け山を駆け……

回想はいいとして、まずはカフェでイメージをたしなめます。めっ! イメージめっ!!

イメージたしなめ

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出された条件は二つ。

・首から下げられる事。

・液晶は見えるようにしたい。

ということで、何案か考えた結果、赤丸のデザインが良さげなので、さっそく作ってみます!

今回、現物を借りていません。なのでまずはウォークマンのサンプルを作ることに。
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図面を描いて……
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組み立てます。改めて小さいな。
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次にケースの方も図面を描き切り出します。
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ふむふむ。機能としてはなんとか果たしているような気もしますがなんか……正直よく分からないですね。

ふむ。なにはともあれ進めましょう。
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レザーに銀ペンで図面を写します。
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切り抜き切り抜き。ちなみに写真上部の謎の物体は前髪です。
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はい。こうなりました。

思ったよりも短い、重なる部分が足りないなど、色々と改良ポイントはありますが……
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う〜ん。これ、改良したところでどうよ? デザイン的な部分でちょっとピンときません。

う〜ん。う〜ん。

……決めた! 一からやり直しましょう!!

やりなおし!

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というわけでもう一回イメージを作り直します。次は袋型でスポッと入れるタイプにしました。
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早速、切り出します。
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ここで新兵器。角を綺麗に落とす道具を先日ゲットしましたのでもちろん使いましょう!

余談ですが買った日に刃を触ってしまい軽く流血しました。
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重ねて慎重に角にあてて木槌で打ちます。
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ほへー。なるほど、なるほど。

今まで角は細かく削って、ヤスリで整えるという作業をしていたので随分楽になりました。

さすれば、革の床面を綺麗に鞣しておきましょう。

鞣すと言えば……
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はいっ、トコノール! もう流行語大賞をあげていいと思います。

前回より器がでかくなってるのは気にしないでください。器のでかい男になりたい僕の願望が反映されただけですから。
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塗り塗りしていき、
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ガラス板でゴシゴシと伸ばします。
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完了です。乾くのを待っているあいだはやはり暇ですね。 コンビニに行って雪苺娘でも買ってきましょうか。
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いや、時間を有効に。この間に別に革も切り出し鞣しておきます。何に使うかは後々。
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乾いたら液晶部分の窓も切り抜いておきましょう。
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集中しすぎてオーラが発光したためカメラが白飛びしています。
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よし! サンプルをはめてみましょう。
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あれ? んん? んんん!? もしや……

窓枠、端からの寸法間違えた!?
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ぐあああああああー! ここまでやったのにー!! 何回ミスるんだー!!!!

……切り替えましょう。うん。切り替え大事!

テイク・スリー!!

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もう一回やり直します(泣)
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さて、リベンジです!
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よし、今度は大丈夫です。
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ここで先ほどトコノールが乾くまでに準備していた革の出番です。この革にリングを取り付け、さらにボタンも付けます。
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器具を使いボタンを取り付けます。
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本体の方に受けも取り付け。
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このようになります。ちょっと余裕を持たせているのがミソです。
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上部を本体と固定するため穴をあけ、縫い付けます。
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シンプルに縫い付け、焼き印も入れました。
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貼り合わせの部分にボンドを縫ってくっつけます。
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乾くまで待ちましょう。今度こそ雪苺娘買ってきましょうか。

固定の際はクリップで革を挟んで型が付かないようにする技を覚えました。
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ボンドが乾いたらグルーバーで線を入れ、
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縫い穴を打ち空けていきます。
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そして黙々と縫い付ける。
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といってもサイズが小さいのですぐに縫い終わりましたね。
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そしてコバにヤスリをかけます。シュッシュッシュ。
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トコノールでコバを綺麗に磨き上げ、
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本体の方は出来ました!

しかしまだ完成ではありません。

首から下げるためのロープ(?)を作ります。
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革ひもは既成で売っているものが残っていたのでそれを使用します。

そして今回どうしても使いたかったハートの金具を使います。ハートってちょっと使うことをためらう感じですが、こんなイカついハートならば許されるでしょう。

この金具、裏から固定できるようになっています。
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フック部分はこうなるので
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穴を空け、ここをハートの金具で固定します。ちなみに通常はこういうときはカシメと呼ばれる金具で固定します。
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ハートの存在感半端ないですね。いい感じです。
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これを合体させていよいよ完成!
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ちなみに裏面のボタンにしたところはイヤホンをまとめるためでした。なのでちょっと長さに余裕を持たせたのです。

多分これはあったら便利だろなと。

現物が手元にないので、実際にはまったところが確認できていませんがやれるところまではやりました。

しかし今回、なぜか年末で気もそぞろだったせいかミスが多かったですね。集中大事!

次回は旦那さんの方のリストバンドを作りますよ!
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ホントに買ってきました。求肥は美味しい。

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ねおみのる

profileneo

普段は普通のサラリーマン。
あるとき独学でレザークラフトを始め見事にはまる。

以来、頼まれた物など失敗や試行錯誤を繰り返し作り続けている。

今欲しい物はリアルに革漉き機とミシンだが、部屋に置く場所が多分ない。