国内産の漆の実を使った、和ろうそく。「日本の塗り物文化を応援したい」という思いから生まれました。ぬくもりを感じられる明かりは、忙しない心も穏やかにしてくれます。自宅におひとつ、灯してみませんか?
環境にも、人にも優しい。
石川県七尾市で明治25年に創業した『高澤ろうそく店』は、「和ろうそく」を専門とした 老舗です。日本には洋ろうそくと和ろうそくの2種類があり、目にすることの多い前者は、糸とパラフィンでできています。対して後者は、“灯芯草”から取れるスポンジ状の「灯芯」と和紙を芯として、そのまわりに植物から採取したロウを施したもの。
そして、一般的によく用いられる櫨(はぜ)や ヤシの油ではなく、貴重な国産の漆を活用したのが『うるしろうそく』です。
ぼんやりとしていながらも、力強さを感じさせる。
日本は古来より漆器が親しまれていて、石川県ではそのひとつである『輪島塗』の生産地です。現在でも脈々とその伝統は受け継がれていますが、原料の漆の自給率は減少傾向にあり、現在では1〜2%といわれているほど。木を1本育てるのに、長い時間とたくさんの手間がかかるためです。
そんな漆の植林の手助けをし、地域の文化を守りたいという思いから、うるしろうそくは生まれました。漆が取れるようになるまでは20年の歳月が必要ですが、毎年採取できる実の部分からロウをとっています。
漆の実が、漆器の継承へと繋がりますように。
漆の実のロウは燈色に燃え、芯が筒状で空洞になっているため、ロウと酸素が常に供給され、風にも強い炎になります。1本あたりの燃焼時間は、約50分。明かりを灯している間は、いつもの部屋がやさしい空間となり、忙しない日常の中で忘れがちな、穏やかな時間を過ごさせてくれるのではないでしょうか。
炎を灯されるまで、箱の中で息をひそめて……。
販売されている商品は3種類あり、南部鉄でつくられたろうそく立てや、高岡銅器で作ったろうそく消しがセットになったものもあります。趣のある活版印刷の箱に入っていて、贈り物としても最適です。
漆の実は前年に採れたものを使っているので、数には限りがあります。今年の分が終了したら、また1年後の販売を楽しみに待ちたいですね。
うるしろうそく
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