家具の歴史に名をはせる、あの名作にふれる場所。【TIMELESS CRAFT】
油面の交差点の近くに、大きなガラスの回転扉が特徴的なお店があります。店内に並ぶのは少しでも家具に興味がある人なら、一度は目にしたことがある「名作」ばかりです。ミッドセンチュリーにフォーカスを当てたラインナップ。ここは憧れの逸品にぐっと近づくチャンスかもしれません。
リプロダクトこそ、プロの目で選ばれたものを。
目黒通りを歩いていて気がつくのが、木材を使っているモノやアンティーク・ビンテージを扱うショップが多くを占めているということ。むしろ家具の王道とも言える展開をはかるTIMELESS CRAFTが、少しだけ異彩を放っているようにも感じます。
店長の三上さんは、この時代のプロダクトデザインが好きで入社を決めたほどの熱意の持ち主。“リプロダクト”を扱うお店としてのこだわりを語ってもらいました。
「リプロダクトといっても、安価なものから高価なものまでピンキリです。私たちは、店名にもなっているように『時代を超えて』使い続けていただきたいので、安さだけを打ち出すような製品は取り扱っていません。しっかりとした造りで、元となった家具がもつ魅力を余すところなく伝えられる商品だけを揃えています。
家具の歴史に残る名作ばかりなので、すべてがオススメ。ただ、その中でも革製品には特に力をいれていますね。お客さまにお選びいただけるレザーはイタリアから仕入れており、グレードもカラーもかなり豊富に取り揃えているのが特徴です」
リプロダクトの市場が大きくなった昨今、粗悪なつくりの製品が多く流通しているのも事実。だからこそ、信頼のおけるプロから直接お話を聞いて検討するのがベストかもしれません。しかもリプロダクトに魅せられた、造詣の深い店員さんなら、なおさら安心できそうです。あなただけでは気付くことのなかった、魅力を感じられるのではないでしょうか。
理由があるから、時を超えて愛される。
TIMELESS CRAFTがメインに取り扱うのは“ミッドセンチュリー”と呼ばれるジャンルの家具です。この年代の家具の魅力とは、いったいどんなところなのでしょうか。三上さんにオススメの製品をピックアップしてもらいながら、ご紹介していただきました。
「個人的な憧れもあるのが『ラウンジチェア&オットマン』。20世紀における工業製品のデザインに大きな影響を与えた、チャールズ&レイ・イームズが産み出した作品です。硬すぎず、柔らかすぎない座り心地の良さは、読書や映画鑑賞、ちょっと昼寝をするなど、何をするにもちょうどいいんです。派手さをおさえて、アクセントになりつつも主張しすぎないデザインも注目。アメリカのミッドセンチュリーを代表する、名作中の名作といって間違いありません。
そして、最近よくお問い合わせをいただくのが、近代建築の三大巨匠である、ル・コルビジェの『LCシリーズ』。彼の建築思想である“水平““垂直”“直角”がモチーフになっており、洗練された印象です。映画や雑誌、応接室など、きっとどこかで見かけたことのある形だと思います。これもまた、ミッドセンチュリーの代名詞として語られることが多いプロダクトです」
ここに並ぶ家具は「誰が見てもいい」と思える、目に見る部分だけが秀でているわけではありません。実用性や肌触りに至るまで、かなりの再現性を持っているように感じました。それ故にけっして安いとは言えないものもありますが、夏のボーナスを使ったり、ちょっと外食を我慢したり、少し頑張れば手が届きそうな価格帯です。自分の空間に名作家具から得られる豊かな時間をプラスできると思えば、そう遠い道のりではありません。
名作を選ぶのはさまざまな理由があります。長い歴史の中で認められてきた確かな実力はもちろんですが、多くの人が羨望の眼差しを向けるプロダクトを手にいれるという満足感も大きいはず。それは、自分の生活にメリハリを与えると同時に、理想の暮らしへの近道になるかもしれません。また予算や納期、選択の自由度を考えると、ある意味、しっかりと作り込まれたリプロダクト製品は、正規品を超えているのかもしれないと感じる空間でした。
PHOTO by Yusuke Nishimura
TIMELESS CRAFT
目黒通りには木をメインに扱っている家具屋さんが多いです。その中で僕らが提供しているような王道・定番の製品も見られるのは、逆に新鮮で面白いのではと思います。最近は「この家具はありますか?」というリクエストもいただくので、これからはそういった声にも答えていけるよう、ラインナップをさらに充実させていきたいですね。
by 店長の三上さん
〒153-0063 東京都目黒区目黒4-26-5
TEL:03-6412-7906
営業時間: 11:00 〜 20:00
定休日: 火曜日・水曜日