京都は西本願寺前の香老舗『薫玉堂(くんぎょくどう)』は、創業423年を迎えるお香の専門店です。その特徴は、原材料の調達から製品化に至るまで工程管理を徹底していること。特に天然香料の分野では、長い歴史で培った調合技術で各方面から高い評価を得ています。日本伝統のお香の世界を少しだけのぞいてみましょう。
現代のライフスタイルに馴染んでいく
“お香”といっても、その種類は形や用途によって様々。一般的に知られる数パターンの中でも、それぞれの特長を理解すれば、香りも楽しみ方も広がりますよ。
例えば「お部屋焚き」でよく見かける3タイプ、「渦巻型」「コーン型」「スティック型」にもそれぞれ燃焼時間や効果の範囲が異なります。
「渦巻型」は長時間ゆっくりと燃えていくので、広いお部屋や空気の流れが多い玄関におすすめ。小ぶりな「コーン型」は下にいくほど面積が広くなっているので、短時間で強い香りをだすことができるそうです。そして「スティック型」は一定の太さで燃焼していくので、最初から最後まで均一な芳香が部屋に広がります。
玄関には「渦巻型」を、リビングには「スティック型」、そして就寝前の寝室には「コーン型」を、などなど……。空間にマッチしたタイプを選ぶのも楽しみ方のひとつです。
また、火を使うだけがお香ではありません。例えば、天然香料を刻んで調合し、袋につめた『匂い袋』は衣服に香りをうつしたり、調合方法によっては防虫効果のあるものもあり、その使い道は多岐に渡ります。
特に注目したいのが、お手紙に添えたり、お財布やカバンに忍ばせて使う『ふみ香』。便箋を開けた瞬間、ほのかに薫るなんて、まさに日本人の粋な計らいだと思いませんか?
自然な香りで安らぎを。
「香りを楽しむ」という考え方や、「香りも空間の一部」として捉えられることが一般的になってきた昨今。しかし、実は日本では、昔から三大芸道(茶道・華道)に並ぶ『香道』として嗜まれてきた文化もあることをご存知でしたか?
薫玉堂本店では、店舗に併設された本格的な香席(香道のための部屋)で体験教室も開催しています。中庭に面した純和風な空間で心を落ち着かせ、作法も学びながら奥深い優雅な「かおり」体験を楽しんでみてください。
巷には、選び切れないほどのアロマやお香がありますが、「自分の好きなものに出会えていない」という人も多いはず。そんな時は、文化に触れるつもりで『薫玉堂』のお香をぜひ。日本伝統のやさしい薫りが、お部屋を安らぎの空間に変えてくれるかもしれませんよ。
香老舗 薫玉堂
香老舗 薫玉堂
〒600-8349
京都市下京区堀川通西本願寺前
Tel:075-371-0162
営業時間:9:00~17:30(第1・3日曜日・年末年始 定休)