学校や公園に置いてあるものだと思っていた遊び道具たち。もしもそれを自分たちの手でつくることができるとしたら……? ちょっとワクワクしませんか。今回は大人と子ども、みんなでつくる本格的な手づくり遊具をご紹介します。
自分たちでつくるジャングルジム!
2016年7月に新登場した「木製ジャングルジム・キット」。
こちらのキットを組み立てていくと、縦・横・高さそれぞれ2.5mの本格的なジャングルジムがつくれます!
部品はたったの3種類で組み立て方法もシンプル。つくりあげる作業も子どもたちと楽しめます。
キットには写真にあるような木材が入っています。長い柱をみんなで協力して運びます。
組み立て作業では一切、釘をいません。使う道具はセットに入っている木づちだけ。尖ったものを使わないので、子どもたちとの作業でも安心。
順番に組み立てていったら、ジャーン!
完成です。大人も子どもも、こんなにたくさん乗ってもビクともしません。これを自分たちでつくったと思うと、ちょっと誇らしい気分になれそうですね。
木と木の継ぎ目部分には釘も接着剤も使っていないため、解体することも可能。何度でもバラしたり組み立てたりできます。
自分たちの手でつくったジャングルジムなら、遊ぶ楽しさも三割増し。
昔ながらの大工さんの技術を使って
ところで、本当に木と木づちだけでつくったものに人が乗っても大丈夫なのでしょうか。
実は、このジャングルジムキットをつくっているのは、伝統工法で家をつくっている三重県の工務店。木だけでくみ上げる昔ながらのやり方で、住宅のほか寺社建築や古民家再生を手がけています。
何百年、何千年の時を越えて、見事な姿を保つ寺社建築では錆びてしまう釘や金具は使いません。木がちょうどいい具合にかみ合うように継手や仕口という方法で組み合わせていきます。
このジャングルジムにはそんな知恵が活かされています。下の写真の木と木のつなぎめ部分をよく見てみてください。
横に渡された木の上にピョコンと小さな木片が飛び出しているのが分かりますか?
これをクサビといいます。クサビはドアストッパーのようなかたちをしています。木だけで頑丈なジャングルジムがつくれるのは、このクサビのおかげです。
穴のあいた柱に、貫(ぬき)と呼ばれる横向きに渡してある木を通した後、木づちでクサビをうちこむと、ガチッととまります。 写真で女の子がさわっているところが「貫」ですね。
クサビをトントンと打ち込む作業は子どもでもできます。いくつも打ち込んでいくうちに、「こうしたら木がとまるんだな」と目や耳や手の感覚で分かっていきます。大工さんが家づくりや寺社建築に使う日本の伝統的な技術を全身で味わうことができるんです。
キットの内容や気になるお値段は?
キットには垂直にたてる「柱」が25本、水平に渡す「貫」が60本、クサビが350本入っています。素材は三重県産の桧(ひのき)。素手でさわるものですから化学物質は含まず、職人さんたちが丁寧に加工しています。
それに組み立ての説明書と木づちがついて30万円!
高いのか安いのか分からないので、小学校や公園にあるような鉄製のジャングルジムの値段を調べてみると、だいたい50〜60万円でした。
つくったジャングルジムは室内でも屋外でも使えます。解体・収納ができるのでイベントやスペースが限られる施設にはピッタリ。
遊びだって遊具からつくってクリエイティブにという方はぜひ、チェックしてみてくださいね。
木製ジャングルジムキット
- 製造・販売元:造家工房・亀井
- サイズ(完成時):幅約2.5m、奥行約2.5m、高さ約2.5m
- 購入:Tel: 059-337-8581 FAX:059-337-8582 より
¥300,000(税別)
WRITER'S VOICE
心配な方には職人さんの組み立て出張も!
簡単に組めるとは言え、テントを張るよりもレベルの高そうな組み立て作業。もしも上手くできるか心配なら、職人さんが出張して組み立ててくれたり、指導してくれたりするサービス(組み立て費別、地域により相談)もありますよ。
自分たちで一から挑戦するのも楽しそうだけれど、大工さんとの交流もいい経験になるかも。