こんにちは! ねおみのるです。
今回は前回に続きミュージシャン夫婦からのご依頼。
いきなりですが皆さん、音楽って聴いてます? 僕は結構聴く回数が減ったり、若い頃の音楽に対してどん欲な、「もっとかっこいいバンドはないのか?」「かっこいい曲はないのか?」というような情熱がなんか薄れているなあ、というようなことを年齢とともに感じています。
なんでこんな話から始まっているかというと、ちょうど今回、納品のタイミングが依頼者であるお二人のライブだったこともあり、なんか心を動かされてしまって……。
やっぱ音楽ってええなあ、かっこええなあ、ということをちょっと再認識したからなのです。
さて、依頼者のお二人、前回は名前を出してませんでしたが、出して全くOKということでちょっとご紹介しときますね。
★オフィシャルページ http://www.kawakubo.sakura.ne.jp/index.html
多分、ライブ情報などはフェイスブックの方が詳しいのでこっちも。
★フェイスブック https://www.facebook.com/norihiko.kawakubo
スミ☆アヤコさん
★オフィシャルページ http://mainitisumi.com
というお二人!
ソロでも色んなバンドでもやってるし、なんだか説明しづらい人たち(笑)
とにかくジャズとひとくくりに全くできないお二人は、むしろ僕ン中では広い意味でロック。ライブを見ると、度肝を抜かれますよ! 気になる方はぜひライブへ足を運んでください。
ちなみにお二人とのつながりを説明しておくと、僕も「SS」というチームでライブをする時、写真投影でチームの「SS」のメンバーなのです。
さてさて、では本題へ!
まずはウォークマンケースを納品
スミさん、すぐにウォークマンを入れて使ってみてくれました。
なるほど。オッケーです! 改良して再度納品します‼︎
計り方がかなりワイルドですが。
リストバンド制作!
今回はちょっと考えていたことがあって。
川久保さんには、最初に求めるリストバンドのイメージを聞いてるんですね。
そこで送られてきたのは結構シンプルなリストバンドだったんです。……が、僕からの川久保さんの印象は、全然シンプルじゃない(笑)
なんとかそれを表現できないだろうか……。
……そのためには彫ろう! 彫りましょうではないか。
最近始めた『カービング』という技術を使って作ることにしました。
この言葉、聞いたことあるでしょうか?
あっ、そうです。あのオリンピックで氷の上を……ってそれはカーリングですね。
違います。だいたいカーリングのルールも良く知らないではないですか。
そうそう、テストの時……ってそれはカンニングです。ってあっ、今スマホでカービングを調べてますね。それこそカンニ……。
はいっ。仕切り直します。
革物のお店なんかで、分厚い財布に花などの模様が立体になっているものを見たことがあるのではないでしょうか。バイカーの方とかがよく持っている。そう。それです。
実はカービング、僕、まだめっちゃ下手なんです。上手い人の作品をみると、自分の技術との差にため息と桃色吐息が出ちゃいます。
それなのに今回、この手法を選んで大丈夫? やれるの⁇ 僕……。
いや、しかし、スキルより気持ちが大事でしょう。ハートです。
ということで、今回はカービングを使ってリストバンドを作りますよー!
まずはイメージを固める
川久保さんからの要望で、
・SSの文字を入れる。※最初にちらっと言ったチームSSですね。
・「life is short…」のメッセージを入れてほしい
という2点がありました。
それに僕の感覚を付けたして、
・ピアノ:やはり入れたい。
・月と太陽:川久保さんのピアノを聞いてると、静と動(陰陽)のような対比のイメージが浮かんだので。
・ドリームキャッチャー:先々、もっとビッグな人になるはずなので。
のモチーフを入れ込みます。
ここで、右上に注目。これ、水とスポンジです。何に使うのでしょう?
革は濡らすことで柔らかくなるので、この状態で描き込んでいくと線が残るわけですね。
彫るのは難しくもちょっと気持ちいい!
彫るには『スーベルカッター』という、かなり特殊なカッターを使用します。
しかしこのスーベルカッターもいい名前ですね。まさに滑らすように彫りますから。
きれいにスーと彫れた時は気持ちいいんですよ。でも僕はよくミスります。
やる前に肉とか食べてエネルギー補給をしといてください。
「飲む・買う・打つ!」いや、違う! 「写す・彫る・打つ!」の「打つ!」
革のお店などに行くとむちゃくちゃ種類があるのですが、今回は一番左の基本的なやつだけを使います。
ちなみにこれ、左がベベル、右の二つはバックグランドという打ち棒です。
打つ前に革が乾いていたら、もっかいスポンジで濡らしておきましょう。
その際、少しずつ横に滑らすようにずらしながら打っていきます。
はい、難しいです(泣)
では続けていきましょう。
あと、これやってるときは話しかけちゃダメです。僕が会社の上司だったら「空気読め」って怒りますよ。
これをいらない歯ブラシで軽くすくって、
ニスみたいな役割だと思ってください。
……なんかもっといいのが出来る気がするんだよな。
しかし、ここまでで5年分のエネルギーを使ってるしなあ。寿命縮むんじゃねえかな…。
……よし! 作り直しましょう‼︎ 妥協いくない! 多分、肉食えばいける‼︎‼︎
テイク2‼︎
さて、もう行程は同じなのでザックザク写真と説明は省いていきますよ!
一作目よりはなんか良くなったような(イカつくなったような)気がします。
ではボタンをつけましょう。
ボタンを買う時にお店の人に言われていたのですが、「ホックと合体させる時にサイズが合わないよ」、と。
「えっ!? どうしよう……」となってたところ、「ねじを削ってしまえば大丈夫」というアドバイスをもらいました。ホントかよ。
地味にしんどい作業でした。ねじが固くて固くて……手が痛い。
ちなみに全部が全部こういうことをしなくちゃいけないわけではなく、今回はどうしても使いたいボタンのサイズが合わなかったというだけです。
よっ、個人的2016年度流行語大賞‼︎
リストバンドの周囲をヤスリで綺麗にしてトコノールを塗って仕上げます。
……が、
革の厚みとボタンの足の長さが微妙にあっていない……。
他にも彫りの部分で気になる所もある。
…もう1回! ワンスモアアゲイン‼︎ いちご白書をもう一度! 寿命は肉食えば大丈夫‼︎‼︎
テイク3 !!!
曲げた状態で貼らないと、内側にシワが出るという失敗はもうしませんよ!
うん。やっとしっくりきました! 作り直して良かった‼︎
納品でライブハウスへ!
ウォークマンケースも作り直していますよ。
テーブル席のライブハウスって普段あまり行かないから、ちょっと緊張しています。しかもランニング姿という悪目立ち。
ライブ前にお二人にお会いすることができたので、リストバンドとウォークマンケースをお渡ししました。
ドキが胸胸する。
川久保さんは「想像してたより凄いの来た! ありがとう‼︎」と。
スミさんも「ウォークマンピッタリ!」と喜んでいただけました!
あー良かった。胸をなで下ろした後はゆっくりライブを見ましょう。
ここから画像が荒いのはすいません……。やっぱりスマホって、暗いところだと綺麗に撮れないなあ。
今回行ったカービング。正直、難しいです。
でもとっても楽しいし、技術の幅が広がってきている気がして改めて革の奥深さを痛感しています。カービングには色々と可能性を感じているので、今後習得してもっと綺麗にできるように上手くなりますよ!
ではまた次回!
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