幼い頃、どこでもドアが心の底からほしかった。使えばどこにだって行けるという理由のみでなく、自分だけのドアがある、ということに、くらくらするくらい憧れていたのだ。私だけの、お気に入りで作るドア。部屋の間仕切り。うっとりしながら、将来どんなドアがある家に住もうか妄想したものだ。
戸にまつわるあらゆる感覚を、もっと自由に。
ドアにこだわる、なんて考えたこともなかった。そのように思う方が多いと思います。だって部屋と違ってドアを装飾するインテリア雑貨といえば、せいぜいクリスマスのリースくらいしかイメージできない。それに、もうすでに「ある」ものだから、変えるにも大きな労力がかかる。でもよくよく考えてみてほしいのです。私たちは日々ドアを開けずには生活することが出来ない。意識せずとも、ドアというのは住まいにこだわるうえで、とても重要な要素を占めるということを。
『戸戸』と書いて「こと」と読む、建具(たてぐ)専門のネットストアでは、建具とそれにまつわるツールを販売しています。ただ空間を区切るものとしてではなく、光や気配など目に見えないものを通しながら、全体をつなげる役割を持つ建具。時には窓や壁ともなる、様々な可能性を秘めています。
戸戸の商品の中で、今回ご紹介するの2つ『木のドアノブ』と『布框戸』です。
まず『木のドアノブ』。
無垢材を使用し、素材をそのまま感じられるごろっとした手触りが特徴です。今、身の回りで木を感じられるプロダクトはどのくらいあるでしょう。ほとんどの場合、上からウレタンが塗られ本来の手触りを感じることは難しいのではないでしょうか? その点、このドアノブは木そのもの。生活と共に手になじみ、色の変化も楽しめる。そして、ドアノブに触れた時のちょっとした感覚が、あなたの生活にきっと何かを与えてくれるはず。
そして『布框戸(ぬのかまちど)』。
框戸とは、木の枠の中にガラスや板を張った建具のことを指します。戸戸ではガラスなどの代わりに布を張ることで、空間の一体感と透過性を感じられる新しい「框戸」を作りました。おばあちゃんからもらったパッチワークでも、ふらりと手芸屋さんに立ち寄って選んだ布でも、あなたの好きな布が戸として機能します。気分に合わせ自分の力で気軽に変えることができる。戸という役割を超えた、生活のスパイスとなる存在感を与えてくれます。
戸戸はこれからどんどん新しいプロダクトを発表していく予定です。建具の可能性をもっともっと人々に伝えるために、もっともっと色んな戸の形を伝えていくために。今あるものを最善としないで、自分の心地いいように、空間を変えていけるきっかけを与え続けていきます。
自分の領域から出るために、私たちは毎日、どこかのタイミングでノブを握る、戸を引く。
悲しいときも、嬉しいときも、弱っているときも、力強いときも。
そのとき触れるものから、パワーを得られたらどんなに心強いだろうか。
木のぬくもりに送られて、さあ、今日も一日が始まる。
木のドアノブ/布框戸
【木のドアノブ】
無垢材のゴロッとした存在感のある木のドアノブです。ツヤがなく木の質感がしっかりと感じられます。室内の開き戸用として、主にフラッシュ戸に取り付ける仕様になっています。鍵付きにすることもできるので、トイレ等の扉にもご利用いただけます。
素材:タモ無垢材、蜜蝋ワックス仕上げ
用途:開き戸用(室内用)
扉厚:35mm(33~37mmでの対応も可)
【布框戸】
襖のような軽やかさと障子のような透過性。二つの建具の長所を併せ持った、新しい建具を開発しました。視線を遮りつつも柔らかく光を通し、破れず柔らかい、薄いけれど温かみがある、今までありそうでなかった建具です。
サイズ:W×Hオーダー T=28mm
素材:スプルース無垢材クリア塗装・布(白)
付属:ゴム用ローラー、お試し用の布
公式サイト:http://koto.tools/
(価格・ラインナップは2017年9月現在のものです)
¥14,800(税込)
¥49,680(税込)