そこにあるのは、大きな絵画。余白が大きめに取られたカンヴァスの中央には、レトロな椅子が描かれています。視覚から得られる情報は、それ以上でもそれ以下でもありません。
しかしこちら、実際は単なる絵ではないのです。通常では考えられないような、非常に実用的な用途を兼ね備えています。ヒントは、描かれている“モノ”。もうおわかりですよね? そう、その用途とは、椅子のことです。
「どうぞ、そちらの“絵”にお掛けください。」
そう促されても、思わず「?」となってしまいそうな『CANVAS』という名のこちらのプロダクト。まさしく、カンヴァスに描かれた椅子のように、一見なんの変哲もなく見えるのですが……
なんと実は腰かけられる、絵のようなインテリアなのです。
使い方はこれ以上ないくらい、非常にシンプル。まず、壁から40〜50cm離し、斜めに立てかけます。次に、絵の座面部分に腰をおろします。そう、たったこれだけです。一般的な椅子のイメージとかけ離れている構造のため心許なく感じるかもしれませんが、伸縮性のある布材と、フレームで作られたこのソファは、人が座れるようにしっかり設計されています。その証拠に、耐荷重は110kgと、抜群。絵が描かれているカバーは洗濯可能なので、汚れを気にせず使うことができます。
絵画=鑑賞するものという常識を、見事に覆してくれたCANVAS。アート作品にインテリアとしての機能を持たせるなんて、なんとも粋な発想ですよね。
このプロダクトを手がけたのは、空間デザイナーの小野直紀氏とプロダクトデザイナーの山本侑樹氏によるデザインスタジオ『YOY (=ヨイ)』。“空間と物の間にあるデザイン”をコンセプトに制作される数々の作品は、まるで日常と非日常の狭間にいるような、独特の物語性を感じさせます。
そんな彼らの世界観は、3大デザイン賞の1つ『Red Dot Award 2017』を受賞するなど、海外でも高く評価されており、中でもCANVASは彼らの作品が製品化された貴重なインテリアなのです。
固定概念に制限されない、彼らの自由な世界観に、ぜひ触れてみてはいかがでしょうか。
CANVAS
キャンバスに描いた絵画のように見える椅子。日本のデザインスタジオ『YOY(=ヨイ)』による作品です。
素材:キャンバス、アルミニウム、ウッド
サイズ(cm):W 110 × D 6 × H 150
耐荷重:約110kg
公式サイト:http://yoy-idea.jp/jp/works/canvas/
(価格・ラインナップは2018年3月現在のものです)
¥179,466(税込)