【CDTシリーズ】シャープペンをデザインの力で応援しよう。
学校に職場、さらに普段の生活にもよく登場する「文房具」。私たちが当たり前のように使っているボールペンやノートでも、どうやら海外の人から見ると、かなりの技術が詰まって見えるようです。生まれたときから身近にあって、なかなか実感が湧きませんよね。
ただ、昨今ではデジタル機器の普及により、ペーパーレス化が進んでいるのも現状です。世界からの評価が高い筆記用具たちは、そのうち消えてしまうかも? そうはさせないと、国内文具メーカーの背中をそっと支えてくれるブランドが現れました。
モノだって、いくつになっても変わることができる。
その名は、『クラフトデザインテクノロジー』。日本の老舗文具メーカーが持つ「職人技(Craft)」と「工業技術(Technology)」に、デザイン(Design)を融合させるのがコンセプトです。従来の発想にとらわれず、メイドインジャパン製品の真髄を世界に発信しよう。そんな想いから誕生した、文房具のトータルプロデュースブランドなのです。
とはいえ、デザインを意識するだけでそこまで変わるのでしょうか? 「どんなに技術が優れていても、きっかけがなければ芽が出ない」というエピソードを、ここで一つお伝えします。
文具メーカー『ぺんてる』のサインペンが登場したのは、1963年のこと。当時の主流だったアメリカの油性マーカーは、ペン先が太過ぎて、紙の裏から透けて見えるのが欠点でした。画数が多くなりがちな漢字を書く日本人にとって、海外製のものは不向きだったそうな。そこでぺんてるは、先が細くて裏写りしない画期的な商品を生み出しました。
しかし、注目も売り上げもいまひとつ。ようやく変化が訪れたのは、海外の展示会に赴いたときです。第36代アメリカ合衆国大統領のリンドン・ジョンソンが、なんと万年筆にはない滑らかな書き味を気に入ったのです! 彼が一度に24ダースを注文するのが世間に知れわたると、アメリカだけで1か月180万本を売り上げるほどの大ヒット。以来、世界で初めて「宇宙空間で使われたペン」としても有名になり、今日でも多くの人々に愛され続けています。
本ブランドのクリエイティブディレクター・AZZAMI(アザミ)氏も、ぺんてるの製品に魅了された一人です。彼が目をつけたのは、シャープペンシルを万年筆のように使いこなせる『万年CIL(愛称:ケリー)』です。繊細なペン先にキャップを付けることで、コンパクトに持ち運びができるこのアイテム。アンティークのような控えめな光り方をする「真鍮」を素材に取り入れた、重厚さと高級感を漂わせるシャープペンとして人気を集めています。
1971年に発売されたロングセラー商品を、デザインの力でリメイクしてみたらどうなるのでしょう? そうして誕生したのが、『シャープペンシル 038W(CDTケリー)』です。WはWhite(ホワイト)、CDTは『株式会社Craft Design Technology(クラフトデザインテクノロジー)』の頭文字。ケリーは万年CILの愛称でしたね。性能はそのままに、現代の人々が手にとって使い続けてくれるように、ようやく進化を遂げたのです。
ほかにも、さまざまな製品が新しく生まれ変わっています。その美しさや手ざわりを、ぜひ実際に確かめてみてください。
クラフトデザインテクノロジーは、今もなお文房具業界に革新を生み出そうとしています。プロダクトデザインという独自の目線を大切にしながら、国内メーカーに文具の歴史的背景や技術的な話を聞いてまわっているとのこと。「CDT」という文字が刻印されたアイテムを見かけたら、それにはデジタル時代に埋もれさせてはいけない何か理由があるのかもしれませんよ。
CDTシリーズ
クラフトデザインテクノロジー(CDT)は、文房具のトータルプロデュースをミッションとして2005年にデビュー。日本の老舗文具メーカーが蓄積してきた技術や匠の技を、世界に通用するデザインへと昇華させるブランドです。
・シャープペンシル038W (CDTケリー)
サイズ:軸径11.8×全長124.6mm(クリップ部含まず)
重さ:22g
素材:
-軸:PC(ポリカーボネート)
-ノック:ステンレス
-クリップ:鉄
-先端/ローレット(中央部):真鍮
-キャップ:アルミ
芯径:0.5ミリ
機構:ノック式
他多数。
公式サイト:http://www.craftdesigntechnology.co.jp/
(価格・ラインナップは2018年10月現在のものです)
¥2,500(税別)
¥4,000(税別)
¥1,000(税別)
¥9,500(税別)