vol.29 そうめんとの和解

そうめんの季節がやってきた! ……のだけど、私はそうめんが少し苦手だ。

苦手と言ってもあくまでも「少し苦手」で、出されたら多分喜んで食べる。「自分では買わない」程度の苦手度だ。

食べたら食べる前よりもおなかがすくことで知られるそうめん……。霞を食べているみたいでなんか苦手なのだ。

天ぷらなどを添えるとボリュームが出ていいのだろうけど、私がそうめんをゆでるのは、7分ぐらいかけてパスタをゆでるのすら面倒くさい! というときだけなので、さらに天ぷらを用意するなんてとても無理なのだ。

自分で買うことはないけれど、よくもらうのでいつも家にあるし、くれた人に「実は苦手で……」と伝えなければいけないほど苦手というわけでもないし、せっかく縁あってうちに来てくれたそうめんだし、せっかくだからおいしく食べたいと思っていつもおいしい食べ方を研究している。

さっと短時間で茹でられるのがそうめんの魅力だから、アレンジも手軽でなくては。お昼に何食べようというときにパパッと作れるとうれしいから、材料も身近なものがいい。

そして、家にあるさわやかそうな食材をフル活用して、トマトと豆腐とツナとネギ、めんつゆとごま油を混ぜて、青じそをのせ、すりごまをかけただけのそうめんを作ってみた。

さわやかそうな食材だけだとすぐおなかがすくだろうなと思って入れたツナがいい働きをしていて、さわやかさと一緒にコクがあってとてもおいしい。材料を切って混ぜるだけだからあっという間にできるのもいい。

これなら週3ぐらいのペースで食べたいな、と思えた。ちょっと苦手だったはずなのに、週3で食べたいと思えるなんて……。ついにそうめんと和解できたのかもしれない。

満足満足。

そしてその10分後にはもうおなかがすいていたのであった。やっぱり霞だな……。でもおいしかった……。

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amycco.さんの著書「文鳥ちゃん」

yabai

文鳥ちゃんは、羽のお手入れと恋に夢中な白文鳥の女の子。
人間の「あきぴょん&えみ夫妻」と一緒に楽しく暮らしています。
ところがある日、文鳥ちゃんはあきぴょんに恋をしてしまい……
あきぴょんをめぐる恋の三角関係の行方は……?
¥1,512(税込)

『文鳥ちゃん』

amycco.著
出版年月日 2016/4/19
ページ数 111p
定価 本体1,400円+税

amycco.

amycco.prof

イラストレーター。

雑誌や書籍、雑貨などを中心にイラストレーターとして活動中。毎日文鳥に怒られている。

『文鳥ちゃん』(洋泉社)発売中。

公式サイト:http://amycco.com/