革の靴、ヴィンテージ家具、クラシックカー。時の経過によってできる素材の傷や味わいを楽しむ価値観は、人々の間で広がりをみせています。パナソニックから発売された、まるでアンティーク家具のような扇風機『リント』は、少しずつ質感が変化してゆく姿を眺めながら、ずっと手元に置いておきたくなる製品です。
ウォールナットのポールに、べっ甲色の羽根。クラシカルなデザイン
扇風機といえば、夏の風物詩。「理想のお部屋」をつくるべく、趣味のいい家具、肌ざわりのいい寝具、モダンなデザインの電化製品……などお気に入りのアイテムをそろえていっても、「扇風機までは手が回らない」って方が多いんじゃないでしょうか。
最近の扇風機はシャビーシック調だったり、モダンでシンプルだったりとデザイン的にも楽しめるものが増えていますが、お部屋インテリアの中で雰囲気をこわさないように、ひっそりと静かにたたずむ電化製品であるイメージです。理想なのは、華やかでついうっとりと眺めてしまう器機。けれどもそのような、室内の「格があがるような」扇風機なんて、なかなかお目にかかれません。
そんな中、ファン送風器をつくり続けて100年あまりのパナソニックが、自社「最高傑作」とうたった扇風機をつくり上げました。『リント』です。
リントは360度、どこからみても美しい設計がされています。ポールはウォールナットの天然木、羽根は日本の古き良き伝統の色であるべっ甲色を採用し、またモーター部分もネジやコイルの見えない設計を施しています。その立ち姿の美しいこと。まるで女性の後ろ姿のような、すらりとした色っぽい様子は見ていて飽きません。
ポールは合板でなく天然の1本木を贅沢に使用しているため、木目が商品ごとに異なります。世界三大銘木であるウォールナットが使われ、その特徴から、時がたつといかにもやわらかそうな木肌になるので経年劣化が楽しめます。まさに「一生そばに置いておきたくなる扇風機」といえるのではないでしょうか。
リントはデザインもさることながら、つくりだす「風」にもこだわっています。人が「ここちよい」と感じる風は、均一で機械的ではなく、自然がつくりだすものと同じく、強弱が不規則なほうが適しているそうです。パナソニックは蓼科高原でデータを収集し、『リント』で自然の風を再現しました。長野県の蓼科高原といえば、避暑地として有名。毎年、夏になると人々がいやしを求めて訪れる土地です。都会の家にいても、テクノロジーの力で心地よい高原の風を再現してもらえるなんて贅沢。
リントは高級感あるデザインでお家を華やかに彩り、高原の風を再現することで都会の喧騒を忘れさせてくれる扇風機。
日常の中にいながら、そこにあるだけで、見た目にも、つくりだしてくれる風によっても、「非日常」を味わえるアイテムといえるのではないでしょうか。
こんな扇風機といっしょに毎年夏をすごせたらと、憧れてしまう品です。
外形寸法 幅×奥行×高さ:380㎜×380㎜×1,136 ㎜
質量:5,6㎏
消費電力:最大19W
公式サイト:http://panasonic.jp/fan/living-fan.html
オープン価格(市場価格は12万円前後)