日々、何かと忙しい現代人。電車やバスの移動の際に、ちょこっとだけ訪れる自由な待ち時間を、ゆったり座ってくつろげたなら、どれほど快適なことでしょうか。はたまた、好きな景色を見渡せる場所で、時が経つのも忘れ、座って眺めることができたら気分もリフレッシュできること間違いなし! そんな瞬間を一緒に過ごしてくれるパートナーの登場です。
待ち時間が自由時間に!?
収納型チェア『Sitpack』は、福祉サービスの先進国であるデンマークで生まれました。開発のきっかけは、じん帯に慢性的な障害がある方や、長時間の歩行が困難な人たちをサポートしたいという想いです。しかし、いざ商品化されてみると、特別に身体的なダメージを受けていないユーザーにも、その手軽さと使い易さで一躍話題の商品となります。長い時間、立って過ごすことは、ハンデの有無に関わらず、疲れを感じる方が多いということでしょう。
「座る」という動作を人間工学に基づいて、緻密に設計することで携帯椅子のデザインは生まれました。その形状を活かしたまま、今までにないコンパクトで持ち運びやすい商品を目指したのです。そして、ついにポケットサイズにまで縮小できる世界最軽量化を実現。さらに、背中を伸ばして頭を高い位置に保てる効果は、前傾姿勢の多い現代人に程よいストレッチを促し、バランス感覚を整える効果も期待できます。座るだけで自然と正しい姿勢になり、足腰の筋肉疲労を和らげてくるという、一石三鳥の優れモノなのです。
理想のデザインを安全性の高い製品に作り上げるには、多岐にわたるテクノロジーが不可欠です。ポイントは座っている時のしっかりとした安定感、そして携帯する際のスムーズな伸縮性。
この相反する二つの要素を盛り込む為に、それぞれのパーツで精度の高さが必要となったのです。そのために各分野のスペシャリストに協力を依頼し、試行錯誤を繰り返して独自のメカニズムが完成しました。この伸縮メカニズムは特許を取得しており、他の追随を許しません。また生産性の向上と品質を確保するために、製造は一貫して、母国デンマークで行われています。
さて、これらのコンセプトをカタチにできた魔法のような素材はなんだったのでしょうか? それは金属などではなく、数十キロにも及ぶ加重に耐えられる『ポリカーボネート』という化学物質でした。140℃~-20℃まで形状を維持できる優れた耐熱性を有し、強靭で硬く丈夫な工学熱可塑性プラスチックです。寒冷地用には、さらに低い温度まで対応している商品もあり、すべて厳しい耐久検査をクリアしています。まさに世界中の人達にこの製品を届けたいという、開発者の強い気持ちが現れたワールドワイドな仕様といえるでしょう。
驚くことに、折りたたみ式の椅子に関する世界初の特許は17世紀に出願されたそうです。長い間、人々の共通の悩みだったのですね。
できないと思っていたことが少し可能になる。それだけで日常の風景が少しずつ変わり始めるかもしれません。長い距離を一気には進めなくても、短い距離を進んで、サッと取り出してちょっと一息。それができれば行きたかった場所、会いたかった人に会いに行けるようになるかもしれません。またイベント会場や自然の中など、様々な場面でもコミュニケーションツールとして活躍してくれることでしょう。いつでも何処へでも一緒に出かけてくれるSitpack。これは頼れる存在になりそうです。
SITPACK
高さ17.4cm、直径は6.7cm。(折りたたみ時)
使用時の脚の長さは、75.5cmか87.2cmに調整可能です。
公式サイト:https://sitpackjapan.com
(価格・ラインナップは2017年11月現在のものです)
¥7,344(税込)