今では60〜70ものインテリアショップが並ぶ目黒通り。自然発生的に集まってできた“家具屋通り”のなかには、古くから営業しているお店がいくつかあります。『moody's』もそのひとつ。いわば第一世代とでもいうべきお店です。
いいムードがつくれる個性的なビンテージ
moody’sがここにオープンしたのは15年ほど前。当時からずっと変わらないスタイルで、アメリカのビンテージ家具と雑貨を販売しています。こちらの商品はすべてロサンゼルスで買い付けてきたもの。年に3回ほど渡米し、これはというものを日本へ持ってきます。
「元々は古着をやってたんですよ。仕入れに行くうちに、小物、雑貨……と手を広げていって、最後に残ったのが家具。気付けば、長くなりましたね」と店長の田中さん。
扱うジャンルやテイストにこだわりはなく、アメリカで売られていたものならばオールジャンル。アメリカの老舗メーカーがつくった家具はもちろん、現地に輸入された北欧家具を仕入れることもあります。といっても、無節操に買い集めているわけではありません。ポイントは、空間の印象をガラリと変えしまうようなパワーがある商品かどうか。
「今はあんまり言わないかもしれないけど、昔は良い雰囲気だと『ムーディー』だねって言ったんですよ。店の名前はその複数形で『moody’s』です」
そう、ここにあるのはどれも空間を“ムード”たっぷりに変えてくれるアイテムなのです。そんなパワーある一点物を求めて、インテリア好きやリノベ検討中の人はもちろん、飲食店などの雰囲気を重視するお店の人もやってきます。また、こちらでは撮影リースもしており、お店の家具が映画やCMの雰囲気づくりにも使われることもあるのだとか。
雰囲気の良さは自分の目でチェック!
moody’sで出会える可能性が高いのはミッドセンチュリー系の家具。時期によっては2フロアあるお店の1階すべてがミッドセンチュリーになることもあるそう。
その理由を尋ねてみると「何か、こだわりがあるわけじゃない。たまたま、仕入れや在庫の状況でそうなることもあるというだけ」とあっさり。あくまでも、純粋に日本で売れそうなモノを買い集めてきた結果だというのです。最近では提案型のライフスタイルショップも増えてきているなか、ちょっと珍しい存在ですよね。
でも、誰かの真似でない、自分だけのインテリアをつくりたい人にとっては、その商品がどのテイストに括られるかとか、どうやって使ったらオシャレかといった情報がなくても、欲しい商品は選べるはず。実際にモノを見て「うちのあの辺に置いたら、いい雰囲気になりそう」と自分でイメージできればいいわけですから。
「もちろん、お店のクセみたいなものはあるでしょうね。うちなんか“アメリカ臭むんむん”でしょ。目黒通りは色々なお店がありますから、ずっと見て回ったら良いと思いますよ」
ちなみに、向いにあるお店「Junks」は姉妹店。同じオーナーが経営していて、アメリカから仕入れてきたビンテージ家具や洋服が置かれています。こちらとはちょっと雰囲気も違うものが見られるで、ついでに立ち寄ってみるのもいいかも。
PHOTO by Yusuke Nishimura
moody's
インパクトのある一点物をセレクトしています。オンラインショップでも充分、伝わるように工夫していますが、サイズ感や雰囲気など、実物を見ないと分からないことも。目黒通りは歩ける距離に家具屋が並んでいますし、ぶらりと週末デートにでも立ち寄ってみてください。目黒五十番の肉まんでも食べながら色々見てもらったら、何かビビッと来るものが見つかるかもしれません。
by 店長の金木さん
東京都目黒区目黒4-26-3
Tel. 03-3793-6223
12:00 – 19:00 無休