『柿ノ木坂匠(kakinokizaka takumi)』は、北海道に拠点を持つ匠工芸の直営店です。家具の五大産地である旭川で創業した匠工芸は伝統的な木工技術を活かし、長く気持ちよく使える家具をつくっています。なかでも、柿の木坂のお店で試してほしいのは、かけ心地抜群の椅子。背中に吸い付くようなフィット感です。
まずは最高のかけ心地を試してほしい
柿ノ木坂匠で販売している家具はすべて自社の工場で生産しています。工場で働く40人は全員が職人。家具には職人としてのこだわりが随所に見られます。椅子で言えば、かけ心地。なかでも「背の当たり」は大事だと、柿ノ木坂匠の店長、下崎さんは言います。
「個人的な意見ですけど、椅子でいちばん、かけ心地が感じられるのは背の当たりなんですよね。もちろん、人によって気に入る形は違いますけど、できるだけ多くの人に気持ちよく使っていただきたい。そう思って、商品化の際には何度も試作しています。実際に座って、かけ心地を確かめながら細かく細かく調整していくんです」
そこで、人気の椅子「YC2」に座ってみると、もたれかからなくてもスッと背中にそってくるような絶妙なカーブ。「私の背中に合うラインはこれしかない」と言いたくなるほどのピッタリ感です。
「小柄な女性などは、既成のサイズの椅子だと足が浮いてしまって、深く腰かけられない方も多いんですね。それで、せっかくの背もたれも使わない方が多いんです。そういう場合は適切な高さをご提案します」と下崎さん。
「いくら丈夫で長持ちする椅子でも、座りづらいと長くは使えません。お客様にとって最高の状態をお試しいただいて、それでも気に入らなかったら仕方ないですけど、僕としては最高のかけ心地を確かめていただくところまでは協力したいんです」
長く使えるように、修理時の配送料まで考慮
職人としてのプロ意識は、強度や耐久性にも及びます。下崎さんは椅子をひっくり返し、座面の裏側を示しながら説明してくれました。
「最近の傾向として、脚の細い繊細なデザインが好まれるのですが、この椅子は裏で支える木の組み方を工夫することで強度をあげています」
一般的なパーツの組み方よりもガッチリと組むことができる構造を採用。繊細なデザインを維持したまま、ぐらつきにくくなっています。この座面にはさらなる工夫もありました。
「座面は、長く使うと特に傷みやすい箇所です。当店でお買い上げいただいた家具は、基本的に工場で修理をお引き受けしていますが、この椅子は修理をしやすいように脚と座が簡単にバラせるようになっているんです」
工場へ送るのに、脚のついたままの椅子ではかさ張りますが、座面だけを取り外せれば何脚あってもコンパクトになり、配送料を抑えられるのです。強度や修理のしやすさなどを考え、長く使えるように設計された椅子は、長い目で見ればコストパフォーマンスも優れています。
今回は代表例として椅子をご紹介しましたが、「長く使ってもらえるように」との考えかたは、すべての家具に貫かれています。長く安心して使える家具、使い心地のいい家具をお探しの方は一度、訪れてみてはいかがでしょうか?
PHOTO by Yusuke Nishimura
柿ノ木坂匠(kakinokizaka takumi)
当たり前ですが、椅子の掛け心地を知るには、実際に座ってみるのがいちばんです。これから色々、検討してみたいという方も遠慮せず、まずは試してみてください。間取りや家族構成を教えていただければ、家具のレイアウトのご提案もできます。「この置き方しかできない」と思っていた部屋でも、お聞きしてみるともっと快適な配置が見つかることは多いんですよ。
by 店長の下崎さん
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