渋谷区にて産声をあげた前身となる店舗が、名前を変え、場所を変え、数を増やし……気付けば早30余年。長くヴィンテージを愛し続けることで、すでに老舗とも呼べるほどのキャリアが積まれたそのお店は、インテリアストリートの入り口とも言える立地もあって、今ではランドマーク的な存在となっています。
ミックス具合が楽しめる大型店舗
ACME Furnitureが目黒通りの鷹番に移転したのは90年代の初頭のこと。その場所は、この一帯が「インテリアストリート」と呼ばれる理由のひとつとされるほどにハイセンスな店舗が集まっていました。現在、店長を務める池田さんも、若い頃にその地に憧れを抱いていた世代で、今でも思いをはせることがあるそうです。
「当時あの場所には、アメリカの家具ブランドである『モダニカ』のショールームと、アメリカのヴィンテージの車やジュークボックスを扱う『FLAT4』、そしてACME FURNITUREがありました。初めて目黒通りを歩いてまわった時に、いちばん衝撃を受けたのがあの一角だったので、私にとっては今でも聖地のような存在ですね」
2009年にオープンした目黒店は、全面がガラス張りで外からのインパクトも抜群。雑貨や植物を中心とした少しライトなセレクトが揃う1階、リビングやダイニングの提案がメインの2階、寝室周りのスタイリングを見ることができる3階、さらにハードなテイストが印象的なインダストリアル系の収納家具が並ぶ地下階と、計4階の大型店舗となっています。
また、ヴィンテージ家具だけでなく、オリジナルプロダクトや、すこしポップなテイストの小物などをふくめて、非常にバラエティに富んだアイテムが並ぶ店内は、見どころだらけ。「古いモノと新しいモノ、どちらもたくさん用意してますので、その両方から選んで、組み合わせる楽しさを感じてもらえたら嬉しいですね」と池田さんも胸を張ります。
オリジナルとのコーディネートも◎
長く定番商品として人気を博すのが、ローボードやドレッサーなどの“箱もの”。創業時から現在に至るまで、必ず買い付けて来られるそうです。備え付けの収納やウォークインクローゼットが増えた昨今の日本の住宅事情を考えると、買い足す必要性がなくなってきているにも関わらず、人気が落ちないのはなぜなのでしょう。
「やはり、この存在感はヴィンテージ家具じゃないと出ないですよね。テレビ台としても様になるし、リビングの壁際に置いても絵になります。これらの家具は50年以上も前に作られたものもありますが、とても丈夫だし、収納としての機能性にも優れたものばかり。
そこには、カリフォルニアを始めとしたアメリカの西海岸に大量の人が移住した時代背景があります。特需の中で、多くの作り手さんが切磋琢磨し、互いに競いながらデザイン性や品質を高めていったんでしょうね」
また2006年からは、ACME Furnitureのオリジナル家具にも力を入れていて、次々にニューアイテムが発表されているとのこと。もちろん主力アイテムであるヴィンテージ家具とミックスしても違和感がないようにデザインされています。
「アメリカのヴィンテージ家具と同じようにつくると、サイズが大きすぎるので、日本のライフスタイルに合わせて調整をしたり、パーツの素材なども時代に合わせて選んだりしています。
オリジナル家具のオススメはソファですね。周りをヴィンテージの古い家具でまとめて、そこに新品のソファを置くといったコーディネートもいいですよ」
一期一会の出会いが楽しい1点もののヴィンテージ家具に、充実の一途を辿るオリジナル商品のラインナップ、さらにワークショップなどのイベントも開催するなど、今後の展開はますます広がっていきそうです。
PHOTO by Yusuke Nishimura
ACME Furniture 目黒店
鉄、木、アメリカ西海岸、東海岸……いろいろなテイストがミックスされたお店です。もちろん、気軽に手に取れる雑貨や植物もありますが、「雑貨屋」ではなく、あくまで「家具屋」と言われる商品展開を目指しています。目黒店の限定商品なども企画しているので、ぜひお店に来てください。
by 店長の池田さん
東京都目黒区目黒3-9-7
Tel. 03-5720-1071
11:00~20:00 不定休