シンプルに、じっくりと、カッコよく。【hiro furniture】
目黒通りの家具屋さん巡りで少し疲れたら、カフェが併設されたフラワーショップ『TOKYO GARDEN』で、お茶でもしながらちょっと休憩してみるのはどうですか? その時に座ったイスとテーブル、それがまさにhiro furnitureの家具なんです。
上品すぎず、きれいすぎず、木と鉄で。
生まれも育ちも静岡県浜松市。hiro furniture代表の森口さんは、20歳の頃から完全に独学で家具をつくり始め、今では住居や店舗の設計やガーデンなど、暮らしの空間すべてを手がけています。住んでいるのは今も浜松で、店舗や工場があるのも浜松。しかしながら、2年ほど前にTOKYO GARDENのリノベーションを手がけたことを機に、その一角をショールームとして活用することになったそうです。
ちょうどワンルームマンションの一室くらいの広さに、オリジナルの家具がいくつも置かれたそのスペースは、まるで雑誌の撮影に使われるハウススタジオのよう。大きな窓から差し込む自然光に、無垢の木と白い壁が照らされて、より“男前に”輝きます。
「公式サイトのURLに『1』という数字が入っていることから分かるように、もともと“家具だけでワンルームをかっこよくする”というコンセプトで家具づくりを始めました。
使っているのは、基本的にホワイトオークと鉄だけ。素朴で無骨な雰囲気を追求したいので、流行っている“アイアン”ではなく、あくまで“鉄”と呼べるような素材感を大切にしています。昔ながらの鍛冶屋さんが作るイメージですね」
ホワイトオークは、独特の重厚感がありつつも、上品になりすぎない木材。また、鉄はきれいになりすぎないように、あえて黒く塗装せず、素材の色を活かしています。その2つが必要以上のドレスアップをすることなく組み合わされたプロダクトを見ていると、森口さんは「昭和の家具を意識している」と話すものの、現代的なセンスに見事にフィットしていました。
お客様の顔を見て、ひとつずつ。
プロダクトはスタイリッシュでモダンに仕上がっていますが、森口さんの仕事に対する心意気は、まさに昭和の職人さんのそれ。広告や宣伝はしない。下請けの施工工事などはやらない。必ずお客様と直接やりとりをする……。
人と人のつながりを大切にし、時間をかけて、モノづくりに向き合います。
「そもそもオーダーをいただいてからひとつずつ手づくりをしているので、一度にたくさんは納品できないし、家だって年に何棟も建てられません。また、規格品の家具の発注をいただいても、在庫があるわけではないので、どちらにしてもゼロから作ります。発注通りにショールームやカタログと同じものをつくってもいいのですが、どうせだったら出来る限りお客様のわがままも聞いてあげたいんです」
浜松に拠点があるにも関わらず、現在ではクライアントの約7割が東京と神奈川とのこと。今なお、お仕事が決まるたびに、森口さんをはじめ、スタッフの方々が浜松から足を運んで、打合せを行っているそうです。
そんな状況の一助となるのがこのショールームに他なりません。多くの商品が置かれているということで、毎日、東京で働く“営業マン”として大活躍。TOKYO GARDEN内のカフェに使われているチェアやテーブルもすべてhiro furnitureのもので、訪れたお客様に実際に使ってもらいながら、もののよさが浸透していっているようです。
ちなみにそれぞれの家具ですが、その価格を見てびっくり。やはり東京価格ではないぶん、かなりリーズナブルな印象を受けました。
飾り気はなくとも、シンプルで心地のいい空間。ここにある家具を見ていると、そんな価値に改めて気付かされます。
PHOTO by Yusuke Nishimura
hiro furniture
白と黒と茶色、そして緑だけでどれだけかっこいい部屋ができるかにこだわってやっています。商品ラインナップは増やしたいですが、このデザインは今後も崩すことなく、貫いていきたいですね。
ここのショールームで購入はできませんが、アイテムをじっくり見てもらうことはできます。いいと思ったものがあれば、ぜひ一度、ご相談ください。
by 代表の森口さん
東京都目黒区下目黒6-1-27(東京ガーデン内)
平日:10:00 – 19:00 水曜日定休