こんにちは。リノスタ・ライターの雨森です。最近、とまりません。ずっととまらないんです。
私、都内の普通の賃貸住まいです。部屋、当然せまいです。でもね、好きなんです。おしゃれな部屋が。カッコいいインテリアが。それを見るために、いつもタンブラー(SNSの一種)を観ているんです。
だからこそ、とまらないんです。
そう、“妄想リノベーション”がとまらない……。
暮らしは、コミュニケーションは、いつもここから。
コンコンコン……。包丁が奏でる小気味良い音が朝の訪れを家族みんなに知らせます。キッチンから漂う香りは、人生の原風景と重なり、ふと思い出す母親の姿は、キッチンと共にあることも多いでしょう。
帰宅後に探すおやつ、お風呂上がりのビール、夜のチルアウトタイムのコーヒー……生活の中心は実はキッチンにあるのかも知れません。ほら、また家族を呼ぶ声が聞こえてきた……
「カツオー! ちょっとー!!」
……って、サザエさんかよ!!!!
……失礼しました。
少し大きくなったお姉ちゃんとお母さんが共同作業をしたり、休日にはお父さんが慣れない手つきで悪戦苦闘したり……そこにはいつも温かいコミュニケーションが育まれていきます。
ほら、また1人、キッチンに。
「ちは〜、三河屋でーす!」
って、結局サザエさんかよ!!!! 確かにサブちゃん、突如キッチンに現れるけど! とんだサイコパス野郎だぜ!!
……失礼しました。
今日はキッチンのお話です!
ということで、今回はとってもナイスでクール、ブラボーかつマーベラスなキッチンを見ていきましょう!!
最近は増えていますよね。おしゃれで。使いやすくて。不動産情報サイトでもキッチンを売りにしている物件、よく見かけます。
例えばほら……
ん〜、おしゃれですね。清潔感があって、かつ直線的でクールな意匠は男性的な雰囲気も感じさせて。
なんですか、右のコンロにのっているこれまたグッドセンスなお鍋は! こんなイケてるお鍋じゃチキンラーメンとか作れないよ! アヒージョ、アヒージョでしょ、こうなってくると。朝からアヒージョしか作れない!!
これまたナイス! 深い木目とコンクリートのコントラストが絶妙な作業スペースと、ブルックリン風の窓枠との相性はバッチリ。天井に走るむき出しの配管もグッドです。
奥の壁はチョークボードになっているんですね。おしゃれ家族はここに「CAFE」とか「MENU」とか書いちゃうんでしょ! おうちのくせに!! 案外チキンラーメンとか食べているくせに!!!
絶景かな絶景かな。ゴルフのティーショットかな。パーファイブかな。なんだよ、このキッチンからのランドスケープ! インダストリアルっぽいコンロもかっこいいし、こういうキッチンだったら毎日お料理しちゃう!(←とか、うさんくさいことを書くライターには要注意だぞ、そこの坊や)
こんな感じで、おしゃれキッチンがたくさんあることは、もうみなさんのご存知ですよね。
ではもう少し細かめに見ていきましょう!
案外あう。キッチンとモク。
特に日本の賃貸だと、モク(=木)があしらわれたキッチンって少ないですよね。木目のシール的なものはよく見るけど……。やっぱり水との相性が悪いのでしょうか。
天然木のツキ板、キッチンにすごく合うのに!
ほら、もう、見た目100点! コンクリートと木、絶対にキッチンにあうんだって!!
カウンターにワンポイントで木を配するのもいいですね。
ここにいったんお料理を置くね。そして撮るね。インスタを。すると、稼ぐね。いいねを。さらにひと言のこすね。「Facebookって、古いよね」って。憎い! ただただ憎いわ!!!
思いの外、木ぃ!!
これもポテっとしてていいですね! 作業台の部分は大理石でしょうか。木がもたらす朴訥としたイメージと大理石のモダンさが奇跡のマリアージュ! そら名前も分からん野菜、置くわ! なにこれ。スイカ?? 小玉スイカなの!?
ほぼ、木ぃ!!!! ほんで、シンクちっちゃ!!
「いい感じだわ〜」「おしゃれだわ〜」と思いながらお料理したり、お片付けしたり……
↓
シンクが小さいので、どうしても周りがビチャビチャに……
↓
木だから、水に負けて腐っていく……
↓
もはや「木のぬくもり」とか言っている場合じゃない……
にならないことを祈る日々。
こういう囲まれている感じのもあるんですね! これ、キッチンとして、果たして使いやすいのでしょうか。まるでテリー・ボジオのドラムセットです。……て、誰が分かるねん!!!!
ということで、いちおう参考に↓
て、そんな参考画像、いるかー!! “親切”を履き違えるなー!!!!
無骨に? シャープに??
キッチンの意匠は、大きくわけて2つの対立軸があると思います。
1つは無骨系。あまり装飾をほどこさず、素材の持つ特性を残したまま仕上げた感じとでも言いましょうか。僕、これが好きです。
もう1つはシャープ系。しっかりとデザインされたモダンでスタイリッシュな感じ。僕、これも好きです。
どっちもかっこいいから困っちゃう!!
こちら、無骨系。ああ、なんて素敵……。今回のMVK(=Most Valuable Kitchen)の呼び声が高いぞ!
シンクのところ、見てくださいよ、コレ。底なし沼かな? もう帰ってこれないの? 落ちたらブラジル??
こちら、シャープ系。もう、ただただシャープに仕上がっていますね。MVKはコッチかな?
何よりすごいのが、換気口。「ニュイーン」という擬音語を初めて使いますよ。天井から、ニュイーン! 2本の換気口が、ニュイーン!!!!
こちらもすごく無骨。やはり、いいですね。なんでしょう、この菅原文太感というか、高倉健感というか。「私、料理はできませんので……」って言いそう。
いやでも、そこはしろよ! キッチンなんだから!!
2枚つづけてシャープ! おそらく同じキッチンですね。まず蛇口がシャープ。シンクがシャープ。指を入れる穴が空いた収納がシャープ。そもそも私の目のつけどころがシャープでしょ!
こちらは無骨でありながら、シャープっていう感じでしょうか。
このコンロ、なんですか。ビルトインと言っていいのか、でも普通「ビルトイン」っていうと、コンロごとガバッとはまっていることを指すし、こんなの見たことがない!
でも、超おしゃれ!! ほれた! あんたに決めた!!!
もうひとつ、無骨でかつシャープなものを。さらに木も使われていて、合わせ技でMVK確実か??
やっぱりコンクリートってかっこいいなぁ……。
一緒だと、はかどるぞ。
まるでペーとパー子のように、キッチンがあれば、横に常にあるもの。それがダイニングです。
この2つって、よく考えるともっと近くていいですよね。だって、ペーとパー子が一緒のフレームに写っていない絵を想像してみてください。ああ、恐ろしや!!! 嘆かわしや!!!!!
たとえばこんな感じ。ダイニングの背もたれが、そのままキッチンの作業台とつながっているんですね。「こんなもん、背中に水が飛んできてしゃあないやろ」っていうツッコミはナシで。
準備もお片付けも簡単で、とってもよくないですか?
こんなのもありました。アイランドキッチンの横からダイニングテーブルをズーーーーン!! とブチ込んだカタチですね。この形状、建築用語では「ズーーーーン」と呼び、図面上では「Z」と書かれるものですね。はい、嘘ですね。
奥の方の床においてあるのは、キョンシーがかぶっていた帽子ですね。はい、嘘ですね。
こちらも見事。キッチンとダイニングの天板の高さが完璧に揃っているので、ウイスキーのはいったグラスとピスタチオなんかをスイーっと滑らせて「あちらのお客さまから」なんて遊びができますよ(それ、絶対にお母さんに怒られるやつ!)
側面から見た「T」の字も、いちいち美しいですね。
「T」と言えば、こんなのも。なんて見事なT!
木の温かさと、直線的でシャープなデザイン、アクセントカラーとして程よく主張するオレンジ、キッチンとの距離を近づけた合理的な設計……半端なくいいですね、これは。
ダイニングに並んでいるイスは、スタルクのザータンチェアでしょうか。全体的に、色味が完璧。MVKの最右翼か!?!?
いよいよ、注目の『MVK2016』が決定します!!
さあ、ここまで様々なキッチンを見てきましたね。
他にも、本当に個性的でかっこいいキッチン、たくさんあったんです。例えば、天窓から入る自然光がとっても気持ちよさそうなモノや……
すこしDIYぽさの残るこんなのとか……
さらに「導線、どないなってんねん!」っていう、階段の中のキッチンも……
どれも日本の賃貸には入らなそうなモノばかりでしたが、妄想が進みますね!
え!? けっきょく一番いいのはどれだって?
う~ん、やっぱりアレですかね。ほら、最初の方にでてきた、家族のコミュニケーションが活性化するよう設計されていて、外からの導線もしっかりと考えられた、ベーシックながらツボはおさえた感じの……
ほら、また声が聞こえてきた……
「サザエー、ご飯まだ~!?」
もう、直球だわ。ツッコミ、いらないわ。
……失礼しました。
(しかし、妄想はつづいていく)