vol.07 OK、バブリー! で、元気ですかー!! 箱ものですよーーーー!!!!

こんにちは。リノスタ・ライターの雨森です。最近、とまりません。ずっととまらないんです。

私、都内の普通の賃貸住まいです。部屋、当然せまいです。でもね、好きなんです。おしゃれな部屋が。カッコいいインテリアが。それを見るために、いつもタンブラー(SNSの一種)を観ているんです。

だからこそ、とまらないんです。

そう、“妄想リノベーション”がとまらない……。

今回は、一部分だけでなく、建物全体のお話ですよ!

デザインされていないデザイン。

90年代後半あたりから、無印良品やアップルのプロダクトのように、過度な装飾を施すことなく、シンプルでミニマルな意匠が、トレンドの最先端に居座り続けています。デザインとしてイケているとされているもの、白やグレーで、直線的なフラットなものばかり。

そしてその潮流は、建築業界にも訪れています。雑誌なんかで見る、カッコいいお家の中には、白い箱を並べることで組み上がったようなもの、多いですよね。

ということで、今回は直線大好き! 四角いの大好き! 箱もののお家特集です!!

ではまず手始めに……

四角い家を紹介する前に、そうではないものを一応みておきましょう。

日本という土地は、雨がとても多いので、本来的にはやはり斜めの屋根が多いんですよね。例えばこういう……

……って、思いっきり西洋風! ここは日本の伝統的な家屋を見せるべきでしょ。普通にカッコいいじゃん!!

ただ、ご近所さんがいないっていう孤独感が、窓辺に立っている住人に漂っていますね。空の色も、まるでホラー映画の冒頭シーンみたいだ!

ちなみに今回、屋根が斜めになっているのは、これだけですのであしからず。ではもうちょっと今回の趣旨に当てはまっているものを。

ひゅー! カッコいい!! 四角いですねー。窓も広くて、とっても気持ちよさそう。

1階は一瞬リビングに見えるけど、外と区切られていないガレージのような空間なのかな? すごいなぁ。緑も多いし、夏は虫がすごそうだ!

続いてはこちら。これまた四角くてスタイリッシュですね。天井が高いので、錯覚しちゃいますが、よく見ると平屋なんですね。う~ん、カッコいいなぁ。

最近の平屋って、さくら家(日曜18時~)や、磯野家(日曜18時半~)のようなものだけじゃないんですね!

OK、バブリー! これはすごい。四角い箱がいくつも重なることで出来あがった、超絶リッチなおうち。どれどれ? よく見てみると、1階がリビング、2階がリビング、よく見えないけど3階も……リビングまみれかよ!

そして見てください。3階で、誇らしげにたたずむ女性を。「はぁ。私……、お金持ちと結婚しちゃった……」みたいな声が聴こえてきそう!

ナチュラルで、オーガニックで、そして、サバンナ??

どうですか? だいたい今回、紹介していくおうちのイメージが湧きましたか?? こういう直線的なミニマルデザインの建物、最近は日本でも増えてますよね。

ではここからは、もう少しジャンルで分けていきます。最初は植物と共存するデザイン。日本では考えられない贅沢な空間づかいが見られますよ!

道に面した2階部分を見てください!

彦○呂さんだったら、「都会のジャングルや~」って言うぞ、これ。硬質なコンクリートと植物、そして光の演出も相まって、見たことのない雰囲気を醸し出してる!!

すこし似たようなのでいくと、これ。で、デカい!! 木のスペース、めちゃめちゃでかくないですか、これ。左下の木の部分が車庫だと考えると、その約4~5倍の高さがあるんですけど!

でもせっかくこんなに立派なシンボルツリーがあるんだから、もっと見せちゃっていいのになー。あえて黒であまり透かさないっていう演出がにくいなー。

これはどうですか? タテに長い構造は、日本の住宅事情にも適していますね。大きく外側へと開いた1~2階部分にあるシンボルツリーが、ほどよい存在感を放っています。

おそらく駐車場であろう部分に入って、高い吹き抜けを覗いてみたいですね!

最後はこちら。植物っていうか、大草原! サバンナ!! 亜熱帯!!!!

たしかに建物自体はかっこいいけれど、この家、賃貸情報風に言うと、最寄り駅から「徒歩4年」って感じでスよね! コンビニにいくのも、車で3日くらいかかりそう!!

いつかは住みたい……

次は、みなさんに、セレブで優雅、左うちわな気分を味わってもらいましょう。

イキますよ。テーマは、四角いお家 with プール! 庶民の憧れ、プール!! 女子は更衣室、男子は教室で水着に着替える、プーーーーール!!!!

OK、バブリー!(本日2回目)

なんだ、このむかつくほどのセレブ感!! ここから見えるだけで、イス、何個あるねん!

しかも、2階には水族館でお馴染み、エイまで! そうかー、お金持ちはお家で軟骨魚類まで飼ってしまうのかー。(※影が「エイ」に見ているだけ)

OK、バブリー!(本日3回目)

2階の天井高、競技用に使えそうなほど長いプール、そして何より、家の左側と右側の活気の差!!! 左に方も電気をつけてあげて!!!!

地味! ここまでの流れがなければ、これでも十分にバブリーなんでしょうけど、なんだか好感がもてますね。

注目したいのは、ウッドデッキにせり出した2階部分。どうですか? よく見ると、あれに似てるでしょ、あれに。

そう。世界的に大ヒットした『千と千尋の神隠し(英語でのタイトルはSpirited Away)』に出てきた、カオナシ(巨大化して千を追いかけ回す時の)ですね。ほら、よ~く、耳を澄ましてみて!「……ァ……」「………………ァァ……」

最後はこちら。プール的なものの中に浮いていること以外は、もう、どうなってるのかぜんぜん分からない! 手前に斜めの台みたいなものがあって、その奥に家があって……ん?? 本当にだまし絵みたい! なんだこれ!!

「元気ですかー!」が、聞こえる?

今回、紹介している建物は、直線的な四角い箱をさまざまに組み合わせて作られているもの。その中には、グーン! と一部分が伸びているボックス型の建物もあります。

これを、『下顎前突型』と呼びましょう。いや、あまりピンとこないですね。まあ、簡単に言うと、シャクレ型ですね。

デーン! 2階部分、いいシャクレっぷり! サッカー選手で言うと、元日本代表の守護神、ゴールキーパーの楢崎正剛選手、もしくは鉄壁のディフェンダー、秋田豊選手くらいのシャクレ方でしょうか。

全体的なきらびやかさも見逃せない。いちおう言っておきましょう。OK、バブリー!

デデーン!! これまたなかなかのシャクレですね。クッキングパパくらいでしょうか。これは分かりやすく、キューブ型が並べられた建物で、アゴに当たるのは、つまりはベランダ的なスペースということでしょうか。

壁面の収納には緑を基調にした鮮やかなビタミンカラーが使われていて、外壁のホワイトとのコントラストがさらに効いています!

デーン、デデデデーーーーン!!!! もう、いろいろな部分が出ちゃってる! この充実したシャクレ具合は、『ペリカン』『ブルドーザー』『ア・ロング・ロング・アゴー』など、多彩な異名を持つ、吉本新喜劇の辻本茂雄さんクラス!

それにしても、すごい家ですね。この家にはプライバシーという概念はないんでしょうか。ぜんぶ特注だろうし、ガラス代だけでものすごい額になりそうです。

ということで、この建物には、間違いなく言っておかなくてはいけないでしょう。はい、OK、バブリー!!!

最後にこちら。突き出し方といい、存在感といい、これはシャクレ界の(プロレス界)レジェンド、アントニオ猪木さんですね。

この写真を見る限り、生活空間は1階(横に伸びている部分)に集約されているような気もします。アントニオ猪木がアントニオ猪木である所以とも入れる、板が貼られた2階(タテに伸びている部分)は何なのでしょう。窓も少ないし、屋根裏的なスペースかな? どちらにしても、美術館みたいで秀逸なデザインですね。

元気があったら、カッコいい家を建てられる! 元気ですかーーーー!!!

今日はここまで!

どうでしたか? どれもカッコいいですね!

詳しくは紹介できませんでしたが、今回もノミネートされたもの、他にもたくさんありました。例えば……

こんな、まるでおしゃれなショップのようなものや……

手前の部屋の車、どないなってんねん! なもの……(OK、バブリー!)

窓、なさすぎ。外、見えなさすぎ。傘を持っていくかどうか、家を出るまで分からなすぎ! な家……

外からは見えないガラス張り、つまりは男子の憧れ『MM号』仕様(分かる人だけに分かればいいや)のものなど、世界中にボックス型のおうちがたくさんあることが分かりました。

では大トリは、これ。連載6回目ということで……

黒いフレームのカタチが「6」!

……て、今回で連載7回目だよ! 「7」を模したモノ、探せないなら、数字落ちじゃなくていいだろ!!!!

(しかし、妄想はつづいていく)

雨森武志

profile_amenomori

1980年大阪生まれ。
ウェブサイトや各種広告におけるディレクター・プランナー・ライター。

2002年にアーティストユニット「weiv」を設立し、編集長としてウェブマガジン「conscious」を発行。その後クラブミュージックのポータルサイト「saround」を開設。フリーペーパー「saround magazine」の編集長を歴任。

2006年より制作会社へ勤務。2010年に独立し、上京。同時に、処女作「愛!愛ありゃこそ!イーアー!!」の上梓。さらにウェブマガジン「conscious」を再始動する。

2016年に、フリーランスクリエイティブ集団「チームコンシャス」を結成。

学校法人ESP学園WEBクリエイター科講師。