vol.05 みんなが大好き(しかも、人間だけじゃないよ!)

こんにちは。リノスタ・ライターの雨森です。最近、とまりません。ずっととまらないんです。

私、都内の普通の賃貸住まいです。部屋、当然せまいです。でもね、好きなんです。おしゃれな部屋が。カッコいいインテリアが。それを見るために、いつもタンブラー(SNSの一種)を観ているんです。

だからこそ、とまらないんです。

そう、“妄想リノベーション”がとまらない……。

みんな大好き、お風呂!

仕事がめちゃめちゃ忙しい僕には、自分なりの体調管理方がいくつかあります。その1つが、毎日かならずお風呂に浸かること。

若い頃はシャワーだけで済ましてしまう日の方が多かったですが、今は365日のほぼすべて、お風呂に浸かるようになりました。これを続けるだけで、風邪などまったくひかなくなりましたよ(個人差はあるでしょうけど)

ということで、今日はお風呂特集。

寒い日々が続くこの時期、恋しいのはお家に帰ってからのお風呂タイムですよね。音楽でも聞きながら、物思いにふけながら、ジップロックに入れたスマホと一緒に……あぁ、また入りたくなってきちゃった……。

憎いくらい、しゃれおつ。

では、今回もおしゃれなお風呂の紹介から入りましょう。

僕が住んでいるような日本の賃貸マンションのお風呂なんて、ほとんどがユニットバスでどれもあまり代わり映えしませんが、世の中にはいろいろなお風呂があるものです。

おお、最初からラスボスレベル! ザ・スタイリッシュ!! ザ・奥行き!!! ザ・天井高!!!!!

とてもかっこよく仕上がってますよね。奥に見える雪山がまた憎い!

1つだけ「?」なのは、手前にあるのど自慢で「カンカンカンカン、カンカンカンカン、カ〜ン、カ〜ン、カ〜ン♪」ってやるあの楽器が何故ここに? ってこと。そもそもあれ、何ていう楽器??

こちらはまたニュアンスがガラッと変わりました。何ていうか、オーガニック系のシャンプーのCMとかで使われそう。大きな丸い鏡が憎い!

よく見ると、右側にキッチンのようなカウンターが見えますよね。「忙しいママのために、お風呂から上がって全裸のままお料理も」的な売り文句で……売れるかー! 教育上、いろいろとおかしなるわ!!!!

こんなのはどうですか? 奥に見えているのは、シャワールーム。扉はシャープな印象のガラス、床にはぬくもりのある木が使われていて、そのバランスが憎いですね。

手前に2つ並んでいるのは、もちろんトイレですね。この海外でよくあるトイレとお風呂が同じ空間にあるパターン。最近では日本のおしゃれな物件でもよく見られます。

これって便利なのかなぁ。「忙しいママのために、お風呂から上がって全裸のままおトイレも」的な売り文句で……て、これまた売れるかー! せめて入る順番を考えて!!!

次はこんなの。シンプルながら、日本のお風呂には見られないカタチのシャワーが憎い! そもそも「お風呂のパーツに黒を使う」という発想自体が、日本ではあまりないですよね。以前にこのコラムで紹介した「置くだけでおしゃれ」の代名詞、イソップもいい存在感を出しています。

ただ、こういう固定されたタイプのシャワーって、少し使いにくそう。だって少し汚い話ですが、やっぱりお尻とかもしっかり洗いたいんだけどなぁ……。「忙しいママのために、逆立ちをしながらお尻も洗える」的な売り文句で……て、だから売れるかー! もはや忙しさ、関係なくなってる!!! お母さん、アクロバティック!!!!!

美は、細部に宿る。

どうでしたか? まだ数個ですが、すでにそれぞれの個性が爆発していますよね。

では次はもう少し細かいところに目を向けてみましょう。『お風呂』とひとくくりに言いますが、それはつまり、複数のパーツが構成する集合体の名前。一部分だけを見ても、カッコいいの、ありますよ。

たとえばこんなの、どうですか? 先ほども出てきた黒いパーツ。めちゃめちゃクールですよね。「✕」のカタチをしたハンドルは使いやすさも持ち合わせていそうだし、とてもグッド!!!

バスタブのミニマルな白と、壁面の大理石、そしてこの黒。強いコントラストと配色の妙も相まって、決して派手ではないですが、プロダクトとしての美しさが詰まっています。

これに似ているのだと……

こんなのもありました。

ただ、これで言うと、もうちょっと上にシャワーヘッドを固定する部分がほしいけどね。髪を洗う時に両手が使いたいんだから!

続いてはコチラ。このミニマムなデザインもいいですね。ハンドルや蛇口の部分は、手前にある洗面台と同じカタチを採用することで、空間としての統一感・一体感も生みだされています。

たださぁ……、さっきも言ったけど、もうちょっと上にシャワーを固定するやつ、つけておいてよ! 両手でガバガバーってやりたくないの? 右側だけいつもシャンプーの洗い残しがあるなぁ……みたいなの、ヤダ!!!!!

すごいの、来ましたよ! なんですか、これ。アンモナイト型と言うか、フィボナッチ数列型と言うか……。

クリアなガラス(かな? アクリルかな?)をぐるっとさせることで、水の飛び散りを防ぎつつ、デザインとしても秀逸なものに。遊びごころも入っていて文句なし! 今日のMVO(Most Valuable Ofuro)の呼び声が高いですねー。

(「これ、別にお風呂じゃないで」っていうツッコミはなし)

この項の最後はコチラ。僕はこれが一押しです。

何でしょう、この堂々たるたたずまい。本当にシンプルな要素を掛け合わせることで、ものすごい存在感を放っていますね。

なんというか、アップルのプロダクトにも通ずる世界観を感じます。「iPhone」「iPod」ならぬ「iBath」とでも名付けましょうか。いや〜、参った!

お風呂であって、お風呂でない。

「お風呂場」という言葉が示すように、日本のお風呂って、まさにお風呂ですよね。お風呂のための場所が、お風呂。

まるで謎掛けのような言い回しになってしまいましたが、海外では、そうとも限りません。

ここ、お風呂? あ、いや、普通の部屋?? っていう、お風呂がたくさんあります。

たとえば、これ。イスがあって、ソファがあって……、こうなってくると「お風呂」っていうより、「湯船のある部屋」ですよね。

この部屋のレイアウトで考えると、湯船でお風呂に浸かって、すこし温まってきたら、そのまま上がってソファでちょっと一息。で、おもむろに前を見ると、全裸の自分が映って、「ふっ、我ながらいつ見ても美しい身体だな……」て、気持ちわるっ!!!!

こちらも床にバスタブを置いただけのタイプ。これだけ大きな窓で開口していれば、部屋の湿気も気にする必要はなさそうです。

確かに開放感があってとっても良さそうですが、左のシャワールームはきちんと区切って、お風呂は区切らずに部屋に置くっていうのは、やはり日本人の感覚にはないですよね。ライフスタイルの違いって、すごい!

うん、完全に部屋やね。もちろんすごくカッコいいけど。壁の曲線も空間に柔らかいアクセントをもたらしていて、とてもナイス。

静寂を感じさせるこの場所で、都会の喧騒を忘れ、ゆったりと湯船に浸かり、温まったところで、ザバッとバスタブから出て、ふと振り返ると、そこにあるのは大きな鏡。

……て、だから、見な、見な! 全裸の自分を見なさんなー!!!!!!

他にも……

こんな隠れ家っぽいものや……

寝室に直結のもの……

誰もが羨む絶景ものなど、世界の各地で、いろいろなシチュエーションで、お風呂を楽しんでいることがわかりますね。

ではこの項目の最後は、こんなのでどうでしょう。

これ、すごくないですか?? バスタブを設置しているわけではなく、部屋がそのままお風呂なんですよ。ビルトインタイプ? どう呼べばいいの??

しかもお湯が出る部分や、シャワーのハンドル部分、全体的な直線的なデザインも、すべて込みでめちゃめちゃカッコいい! これこそが今回のMVOだ!!!!!

ん? でもちょっと待てよ……。部屋自体がお風呂ってことは、脱衣所で服を脱いで、お風呂のドアを……バッ!! っと空けて、バッ!! と閉める。その瞬間にお湯がドバっと脱衣所に出るし、そもそもお風呂の水圧でバッ!! と閉めることなどできない……。

……絶対にイヤ!!!!!

(んなわけ、ない)

ヒトも、○○も、楽しみ方それぞれ!!

どうでしたか? たくさんのお風呂、どれもいいですよね。湯船に浸かって、今日という1日を振り返り、また明日への鋭気を養う。とても大切な時間だと思います。

そこに、デザインとしての良さや空間としての機能性が足されれば、モアベター。

目の前の母なる海を前に、好きな音楽をかけるもよし……

(覗きに注意して!)

透明のバスタブで、空間のアクセントとなるような意匠をほどこすもよし……

(「押すなよ! 絶対におすなよ!!」が聞こえてくるけどね!)

雪の降る日に、こんな屋上で「パーリナイッ! 今夜はパーリナイッ!!」ってするもよし……

(なんかバブリーな感じで友達が減りそう!)

ね? みなさん、お風呂タイムのエンジョイ方法は、人それぞれです。

ん? 人それぞれ?? 人? 人だけなの? お風呂に入るのって……。

あ、失礼しました。。。

(猫足のバスタブに犬が入っていて、何ていうか、もう……情報過多!)

(しかし、妄想はつづいていく)

雨森武志

profile_amenomori

1980年大阪生まれ。
ウェブサイトや各種広告におけるディレクター・プランナー・ライター。

2002年にアーティストユニット「weiv」を設立し、編集長としてウェブマガジン「conscious」を発行。その後クラブミュージックのポータルサイト「saround」を開設。フリーペーパー「saround magazine」の編集長を歴任。

2006年より制作会社へ勤務。2010年に独立し、上京。同時に、処女作「愛!愛ありゃこそ!イーアー!!」の上梓。さらにウェブマガジン「conscious」を再始動する。

2016年に、フリーランスクリエイティブ集団「チームコンシャス」を結成。

学校法人ESP学園WEBクリエイター科講師。