夫と妻と、犬が一匹。築37年の中古マンションを買って、リノベーションをする話です。
家族紹介
重たい鉄脚に似合う天板を選びに、茅ヶ崎までいきました。
※前回の話→vol.09 ダイニングテーブルの鉄脚を注文した話
ANTISTICの小林さんが教えてくれたのは、LOGGERさんという、国内外の木材を取り扱い、用途に合わせて加工してくれるお店でした。「実際の木を見ながら選べますよ」と小林さんが言うので、それは楽しそうだと我々は、茅ヶ崎まで足を伸ばしたのです。
木こりの家
LOGGER WOOD SUPPLY CO.:http://logger.co.jp
LOGGERさんは、小物を取り扱っている「ショップ」と、木材を保管、加工するための「工場」があるのですが、最初にショップにいってどんなテーブルにしたいかという話を聞いてもらい、後日、工場にいって実際の木を眺めながら、どの木で、どんな厚みで、どんな組み方で、どんな仕上げで天板を作るかを話し合ったのでした。
工場には海の向こうで切り出されたという大きな材木がどんと並べられていて迫力があったし、ショップのほうはセレクトされた雑貨や手作りの木製椅子などがこぢんまりとあって、木こりの家みたいでとても素敵でした。
どの木で
まず、前回書いたように、テーブルそのものを重くしたかったのと、佇まいとしても重厚感のあるものにと思っていたので、厚みがとれることを重要視して、そのうえで木目の感じが好きなものを探した結果、どこかの国のスプルースで作ることにしました。日本名でいうとマツ、になるのでしょうか。実物を見ながら「コレがいい」と選んだので種類や名前のことをあまりよく分かっていません。スプルース、という名前も最近やっと言えるようになりました。
どんな厚みで
「ともかくできるだけ厚く」というのが我々の要望でありました。とはいえ工場にも木が丸太で置いてあるわけではなく、10cm程度の厚みの材木から加工するわけですので、最大でとっても4〜5cm程度の厚みになるだろうということになりました。ほんとうは仕上がりが10cmとかでも全然よかったけれども。4〜5cmあれば、まあまあ、そこそこ分厚いです。
どんな組み方で
一枚板の天板ではないので、何枚かの板を組み合わせるのですが、その組み方を悩みました。我々の希望していたダイニングテーブルは、サイズが200cm×85cmだったのですが、縦200cmの板を3枚並べるだけのラフなものにするか、その端に垂直に板を渡して「耳」を作るかなどを話し合い、結局、強度的にも見た目的にも「耳」があったほうがよさそう。でも「耳」は幅狭めがいい、という結論に。
どんな仕上げで
ここがかなり迷いどころとなりました。選択肢は3つ。いや、2つ。食事をするテーブルであるし、さすがに無塗装というわけにはいかないだろうということで、「オイル塗装orウレタン塗装」の議論が勃発したわけです。オイル塗装は、木の風合いをいかした自然な仕上がりで、しかし水や汚れにあまり強くないためこまめな手入れが必要。ウレタン塗装は、塗装膜によって木の表面が守られるためメンテナンス性が高いが、見た目がつるんとして既製品ぽい仕上がりとなります。
せっかくオーダーするのに既製品ぽいのは嫌だ、でもこまめにテーブルをお手入れする自信がない……! そんな葛藤が弱小主婦であるわたしを襲いました。
でも結局、夫の意見もありオイル塗装を選びました。やっぱり、せっかくの木の風合いを損ないたくないと思ったのでした。こまめにお手入れするぞ、という覚悟とともに。
赤く反応する木
ダイニングテーブル完成までのフローをざっくり説明すると、LOGGERさんが木を天板として加工する→ANTISTICに天板が届く→小林さんが脚をつける→完成! という感じで、つまり、スプルースの天板は、我々のもとよりも先にANTISTICの小林さんのもとへ届いたわけです。
ある日、別件でANTISTICに行ったとき「テーブルきてますよ」と小林さんが教えてくれたのですが、その天板を見た瞬間のわたしの反応は「赤い……」というものでした。
だって、赤かったのです、実際。赤い、というのは、木の茶色が赤みがかっているという意味ですが、工場でみたときのスプルースよりも明らかに、その天板は赤かったのです。ほんとうに正直に言って、
(思ってたのと違う……)
と思いました。そしてそれがそのまま顔に出るタイプのわたし。自分が天板を作ったわけでもないのに、焦るANTISTICの小林さん。
「え、赤いですよね? 赤くないですか?」とつめよると、「ちょっと確認しますね」とLOGGERさんに電話をかけてくれました。要するに仕上げのオイルに反応して色が赤みがかってしまったということで、どうしてもという場合は表面の仕上げを削って仕上げなおすこともその時点では可能、というようなことを電話で確認をしてくれました。
ところが。
これは不思議なことだったのですが、この電話のあいだにずっと見ていたら、その天板が気に入ってきたのです。だから小林さんが電話を切るころには、「なんか、でも、気に入ってきました」などとのたまい、なんのこっちゃという感じでありました。誰も彼もに申し訳ない時間であったことをここで反省して謝りたいです。
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このダイニングテーブルが新居に運び込まれるのはまだ先の話となりますが、いま現在の気持ちを伝えるとするならば、この、鉄脚と天板をオーダーして作ったダイニングテーブル、我々夫婦、とても気に入っております。部屋の中心でどんと構えてくれるよいダイニングテーブルになったと思います。うれしい。