
秋が深まってきた。暑くも寒くもなくて、梨のおいしい、ちょうどいい秋が終わってしまった。
さびしいけれど、紅葉がきれいな季節で、色付いた木の葉を眺めるのは楽しい。
毎年この季節になると、一昨年まで住んでいた家の窓から鮮やかに紅葉したナンキンハゼの木が見えていた。
5階まで届くぐらい大きくて、赤と黄色とオレンジのハート型の葉っぱが窓いっぱいに広がって、その景色がとても好きで引っ越す前にその木から落ちた種を拾ってきた。
蒔いたその種から芽が出て大きくなり、2年近くたった今では50センチぐらいの木になった。前みたいに窓いっぱいに広がる紅葉ではないけれど、真っ赤な葉っぱがとてもきれいだ。
落葉樹たち、葉が散る前に鮮やかなオレンジやはちみつみたいな黄色になるの、かわいいな。
春になって花が咲き始めて世界がカラフルになる瞬間が一番好きだ。
この後また色彩の乏しい季節がやってくると思うとさびしいけれど、カラフルな季節のしめくくりに、ひときわ鮮やかに染まった葉っぱたちを眺められるのはなんだか素敵だ。
この世界のいいなと思う部分のひとつだなぁ。
