
毎日があっという間すぎて、毎日お昼になると、「もうお昼…ということはもうすぐ夕方…ということはもう夜…寝る時間…」と思ってしまう。
家族が休みの土日が終わるとき、名残惜しい気持ちにはなるけれど、「まぁあっという間に次の週末が来るしなぁ」という気持ちにもなる。
忙しいからあっという間というわけでもなく、ひまな日もあっという間に終わる。ケガで入院していて特にすることがなかったときでも、毎日があっという間で思いのほか暇を持て余すことができなかった。
私が遅いから、世の中の時間の流れが早く見えるだけなのかなぁ。もしかしたらほかの人が1時間かけてすることに3時間かかっていて、1日がみんなの3分の1しかないのかもしれない。
新幹線の車窓から見る景色のように、ビュンビュンと毎日は過ぎていく。もう少しひとつひとつの景色をじっくり眺めていたいなぁと思いながら。
夕方、子とスーパーで買い物をして外に出ると、外はもう夜だった。この間まで夏だったのに、いつのまにか日が短くなっていて、あっという間に秋がやってきた。
西の方にある家に向かって歩きながら、子は目の前の空のすみっこに見えるオレンジの空を指差して「あっちは まだ ゆうがた!」と言った。
話せるようになったばかりの小さい頃も、夕方の空のオレンジの部分を指差して、「きれい!きれい!」と喜んでいたっけ。
私が毎日同じように過ごしている間にも、子は自分で歩いて買い物に行けるようになり、同じ色の夕焼けを見てもあの頃とは違う反応をするようになった。来年の秋も、あっという間に暗くなる空を見ながらまた違うことを言うのだろう。
2人で手をつないで歩きながら、「またあっという間に今日が終わる。きっと一瞬だけだな…こうやって手をつないで歩くのも」という気持ちになり、昨日と特に変わらなかった今日のことを、ひとつ残らずまるごとどこかに残しておきたくなった。
