すりたての胡麻の香りひろがる【すりバチ】

胡麻をする心地よい音と、香ばしい匂いが食卓に漂ってくる。それはかつて、特別ではない日常のひとコマでした。忙しい毎日の中で電気調理器具に居場所を明け渡しているすり鉢は、今スタイリッシュに進化をとげています。

櫛目のないうつくしさ

『萬古焼』と聞いても、あまりピンとこないかもしれません。でも、実は、土鍋シェア、7~8割と言われる非常に日本の食卓でお馴染みの焼き物なのです。その窯元の多くは三重県四日市市にありますが、そのとなりまち三重郡菰野町でも数件の窯元が製造を続けています。『かもしか道具店』もそのひとつ。良いものづくりは未来につながると信じ今日までやってきました。

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    陶器と磁器のいいとこ取り。耐久性に優れています。

同店舗では萬古焼のごはん鍋、急須、ココットなどのアイテムが揃っています。その中のひとつが『すりバチ』。
本来は『櫛目』と呼ばれるいくつもの細かな溝によって食材をすりつぶします。でも、これがあることで洗うのが面倒だったり、収納に気を遣ったりと扱いが難しいものでした。
しかし、その当たり前の構造に一石が投じられます。それは釉薬の色味を決めるときに乳ばちを使って混色をしていたとき。職人が「溝がないにもかかわらず混ぜ合わせることができるなら、食品にもつかえるのでは?」と閃いたのです。
表面に凹凸がなく、うつわのようないでたちなら簡単に扱えます。まして、調理をしたまま食卓に運べればまちがいなく時短です。地元在住のフードコーディネーターと一緒にアイディアを出しつつ出来上がったプロダクトだから、主婦目線が嬉しいですね。

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    調理してそのまま食卓に出せる手軽さが主婦には嬉しい。

すり鉢をあまり使ったことがないという人は、使用してみると使い方の豊富さに驚くかもしれません。和食を代表する胡麻和えはもちろんですが、がんもどきや冷や汁などの郷土料理をつくる道具でもあります。ミキサーでペーストを作るよりも滑らかな舌触りに感動するはず。離乳食だって簡単につくることができますよ。他にはスパイスを混ぜるときや、時間のある時にはコーヒーミルの代役も。熱が加わらないから香りが良く甘みのあるコーヒーが飲めますよ。

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    アイディア次第で使い方は広がりそうです。

日本古来の質の良い道具を使って和食を作ることは、素材を生かして味よく仕上げるひとつのテクニックです。それを新しい形として使うことができるなら、試してみたくなりませんか? 家族のために心を込める料理のおいしそうな匂いに誘われて「今日のご飯はなに?」と聞かれる当たり前を、ずっと感じていたいものですね。

すりバチ

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溝がなくてもしっかり擦れる新しいすりバチ

サイズ:15.5(W)×15(D)×6.3(H)cm

色:藍、黒、茶、白

公式サイト:https://www.kamoshika-douguten.jp/
(価格・ラインナップは2018年2月現在のものです。)

¥3,400(税別)

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