暑いときこそ、自然の風が心地いい【The GreenFan / BALMUDA】
これまで革新的な製品を次々と生み出しては、世の中に新しい体験を届けてきたBALMUDA。2017年3月、BALMUDAの原点でもある、あのプロダクトがついに“The”の冠をつけて発売されたのをご存知でしょうか。その名は『The GreenFan』。もちろん、ただ、風を送るだけではありませんよ。いかに他の扇風機と違うのかを、開発ストーリーとともにご紹介します。
「この風をつくりたい」、その想いに、偶然も重なって。
『The GreenFan』の初期モデルは2010年に発売された『GreenFan』です。送り出す風から見直し、扇風機の新しいスタンダードを作り上げたこの商品の発明には、どんなストーリーがあったのでしょうか。
最大の特徴である“風”そのものは、独自の「二重構造の羽根」が実現した、自然界で感じる心地よい風を再現しています。なぜ従来の扇風機の風とは違ったものをつくりだしたのか。それは、代表の寺尾 玄さんが少年時代に経験した、忘れられない体験があったそうです。
暑い夏の日、自転車に乗って坂を下った時に全身に浴びた気持ちの良い風。それが「部屋中に吹き抜けたら、どんなに気持ちがいいだろう」という思いこそ開発のきっかけになりました。
しかし、自然界の風を人工的に作り出すのは至難の技です。自然に吹く風は面となって空気が移動することで発生するのに対して、扇風機は羽根の回転を利用するので、渦のようになってしまいます。この最初の壁をクリアするヒントは意外なところにありました。町工場の職人さんたちが扇風機を壁に当てて使っているのを目にしたのです。実際に試してみると、確かに風がやさしくなります。それは、壁に当たることで、渦の風が壊れ、面になって跳ね返ってくるからでした。
次の課題は、「どうやって風を何かにぶつけるか」です。それを考えている時に、寺尾さんはあるテレビ番組をみたそうです。それは、小学生たちが30人ほど列になり、2人3脚の原理で足を結んで、ゴールを目指して駆け抜けるというもの。当然、走るのが速い子もそうでない子も同じ列にはいっています。するとどうなるのか。足の速い子がペースを遅い子の方に合わせられないと、遅れている子に巻き込まれていってしまうのです。「これを風でも同じことができれば」。そうして発明されたのが、同時に速度の違う風を送り出す「二重構造の羽根」でした。内側からは遅い風を、外側からは速い風を送ることで、内側に空気が引き込まれて、やがてぶつかります。すると、渦が消えて、より広い面となり、拡散していくのです。つまり、風をぶつける先は風だったのです。
そうして完成した「自然界の風を送り出す扇風機」。しかし、すごいのはそれだけではありませんでした。
風はなんと15メートル先まで届き、またオプションの『バッテリー&ドック』を使えばコードレスでどこへでも持ち運ぶことができます。さらに、静音性は驚異的。風量が1の時の音量は13dBとのことですが、これは2羽の蝶が羽ばたいている程度だそうです。もっと具体的な例を調べてみると、砂時計の砂が落ちる音が20dBなので、もしかしたら自分の呼吸音の方が大きいかも。
最近は「暑い」と感じる日も多くなってきました。だからといってガンガン、エアコンを使うのは避けたいですよね。例えば、家の中に心地よい自然の風が吹くとしたら……。もうそれだけでこの夏も乗り越えられるのではないでしょうか。
もしもあの時、小学生がきれいな列を維持して走りきっていたら。もしも職人さんたちが普通に扇風機を使っていたら。もしも寺尾さんがインドアな少年時代を過ごしていたら。体験とひらめきと偶然が重なったプロダクトはあなたの夏の過ごし方を変えてくれるかもしれませんよ。
The GreenFan
The GreenFanは、独自の技術によって自然界の風を再現する扇風機。夏の午後を吹き抜ける心地よい風を部屋の中に再現します。気持ちのいいグリーンファンの風と一緒に、素晴らしい夏の一日をお過ごしください。
公式サイト:https://www.balmuda.com/jp/greenfan/
(下記の価格・ラインナップは2017年6月現在のものです)
¥36,000(税別)