ガラス張りのオープンな店構え、店内に流れるのはダンサブルなアッパーチューン。「Lloyd’s Antiques EGOIST」を訪れると、アンティークショップのイメージがちょっと変わるかもしれません。このお店では本格的な英国アンティークをベースに、さまざまな地域や時代の家具を組み合わせて楽しむミックススタイルを提案しています。
9つの部屋で見せるミックススタイル
「Lloyd’s Antiques EGOIST(ロイズ・アンティークス エゴイスト)」は、全国展開するロイズ・アンティークスのコンセプトショップ。1989年から続く碑文谷の店舗を「Lloyd’s Antiques EGOIST(エゴイスト)」としてリニューアル後、今年で10周年を迎えました。1920年代〜30年代のアンティークを中心に、他ではなかなか手に入らない個性的な家具を販売しています。
バイヤーも務める店長の星さんによると、ヨーロッパから入荷した商品はお店に並べる前に必ず実物を見て、コンセプトにあったものをチョイスしているそう。
「チェックしているのは、商品の背景とスタイルなどの見た目、そして素材感の良さ。それ自体に力のある商品を選び、商品の個性を際立たせるような店づくりをしています」
「たとえば」と言って紹介してくれたのは、黒いデスク。アルバート公の死を悼んでイギリス全土が喪に服していた時代につくられたため、黒く塗られているそうです。ほかにも、薬屋でファイリングに使われていた木製のキャビネットなど、店内ではひとクセある家具が存在感を放っています。
単品でも主張のある家具ですが、そこに異なるスタイルの家具を組み合わせて新鮮さを出すのがロイズ流。お店のなかは9つの空間に区切られ、北欧モダンとの組み合わせ、イタリアやフランスの現代のアイテムとの組み合わせなど、色々なタイプの“ミックススタイル”が見られます。
イギリスの職人が仕上げた塗装の質感にも注目
ロイズ・アンティークスは、仕入れたアンティーク家具をフルレストア(修復)するための工場をイギリスに持っています。実用に耐えうるレベルまで修理しつつ、年月を経て生まれた風合いを最大限に残すという繊細な仕事に従事するのは、その道20年以上のベテランの職人。
「木工でも塗装でも金工でも、やはり本場の職人はオリジナルを熟知しています。日本の受け入れ工場にも最終チェックをする職人がいますが、彼らも『塗装は本場の職人には勝てない』と言いますね」
通常はスプレーラッカーを吹き付けるため堅さが出てしまいますが、ロイズの工場ではハンドポリッシュでしっとりした質感に仕上げます。ハンドポリッシュは薄い塗膜を30〜50層ほど重ねていく方法。とても時間がかかります。
「普通なら違いが分からないほどの細かな差異ですが、ハンドポリッシュは古いイギリスの木がいちばん引き立つ手法だと思います」と星さん。
9つの小部屋のどの空間にも心地よさを覚えるのは、そうした気付かないほど細かなニュアンスを無意識に感じるからなのかもしれません。
「大人のワガママを満たすお店というコンセプトで『エゴイスト』と名付けましたが、それは個性を押し付けるということではないと思います。ロイズのスタンスは大事にしながら、お客様と一緒に新しいスタイルをつくっていきたい」と星さん。
アンティークをベースにしたミックススタイルはこれからもどんどん進化していきそうです。
PHOTO by Yusuke Nishimura
ロイズ・アンティークス エゴイスト
アンティークは一期一会。各地、各時代の家具を幅広く取り扱っているので、お店にいらしていただけたら、きっと出会いがあると思います。ぜひ、お気軽にご来店ください。住宅街のなかにあるので、わざわざ足を運んでいただくだけの、気付きがあるお店にしたいと考えています。お買い物はもちろん、個性豊かな家具を使った「エゴイスト」の空間もゆっくり楽しんでいってください。
by 店長の星さん
東京都目黒区碑文谷2-5-15
Tel. 03-3716-3338
Mail. egoist@lloyds-antiques.com
11:00 – 19:00 無休(年末年始を除く)
https://www.lloyds.co.jp/shop/egoist/