みなさんは菰樽(こもだる)をご存知ですか? そうそう、初詣に行くと神社の境内にドスンと鎮座ましましていたり、大相撲やプロ野球の優勝祝賀会中継などで見かけたりする、あの日本酒の入ったでっかい樽のことです。あれを木槌で威勢良く叩き割るいわゆる「鏡開き」、一度やってみたいなあとあこがれている人はきっと少なくないですよね。今回ご紹介するのは、その夢をけっこうお手軽に叶えちゃうアイテムです。
デザイナーの感性がパーティを盛り上げる!
菰樽が生まれたのは江戸時代中期のこと。樽廻船により畿内から江戸へと四斗樽の酒樽(約72リットル)を運送する際、破損を防ぐためにワラなどで織った菰(こも)を巻き付けたことが始まりだといわれています。今でも電化製品や陶器などを通販で買うと、プチプチや発泡スチロールに包まれて送られてきますよね。それと同じく、菰は緩衝材の一種だったというわけです。
しかし、この風習が一般化していくにつれ、菰樽はもうひとつ別の役割も担うようになっていきます。その役割とは、いわば広告媒体。菰樽は料理店の店頭など人目につく場所に置かれることが多かったため、酒蔵はそれぞれの銘柄をアピールすべく、競って印象強い柄や文字を描いていったのです。
『パーティーペンギン』/ 松本大輔 パーティを盛り上げる「パーティペンギン」が描かれた菰樽。これは女子ウケ半端ない!
岸本吉二商店の『ミニ鏡開きセット デザイナーズライン』は、そんな菰樽の歴史と伝統をしっかりと受け継いだアイテム。サイズこそ手のひらに乗せられるほどコンパクトになっているものの、その表面にはインパクト抜群の柄や文字がイキイキと躍動しています。このシリーズのデザインを手掛けているのは、現代を生きる感性豊かなデザイナーたち。どのバリエーションもとてもポップでめでたい雰囲気だけど、当然ながらタッチやテイストはひとつずつ異なっていて、デザイナーそれぞれの個性を窺い知れるところも面白いんです。きっと、江戸時代の絵師たちもこんな風に腕を競い合ったんでしょうね(遠い目)。
さて、歴史ロマンに耽るはこのくらいにして、それではお待ちかね、ポップでめでたい菰樽デザインの競演をとくとご覧に入れましょう!
『御来光』/角和輝 富士山の頂きに、でっかい朝日。サイコーにめでたい雰囲気を演出してくれるデザインです。 『タイル富士』/角和輝 北斎の浮世絵を銭湯チックな「タイル柄」で表現。ムダをなくしたモダンなデザインはインテリアにもぴったり! 『PIGEON RELEASE』/平田由里子 十羽(とわ)の白い鳩が空を翔けていくデザインには、永久(とわ)に幸せが続くようにとの願いが込められています。 『THE FASHIONABLE WORLD』/石垣智樹 夢・趣味・家族・仕事……さまざまな会話が飛び交う社交パーティをイメージしたデザインとのこと。 『鍬形虫』/鈴木信輔 「夏」をテーマにしたデザイン。夜空を彩る紅白の花火と、それを眺める鍬形虫がベストマッチ。 『元旦』/角和輝 こちらは「元旦」をテーマにしたデザイン。伝統的な色使いを基調としながら、現代ならではのセンスを感じさせるところがお見事!
『ミニ鏡開きセット デザイナーズライン』には本体の菰樽だけでなく、専用の鏡板(木槌で割るフタの部分)とミニ小槌、ミニ木杓、朱桶も付いています。つまり、これ1つでパーティを盛り上げることができるというわけ。残念ながらお酒はセットになっていないけど、自分でお好みの銘柄を調達して仕込んでおくことはもちろん可能です。これからリノベーションをしようと考えている人は、竣工祝いやホームパーティの席でぜひ活用してみてください。きっと周囲の人たちから「何それ? かっこいい!」と言われること間違いなしですよ!
ミニ鏡開きセット デザイナーズライン
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製造元の岸本吉二商店では、『ミニ鏡開きセット デザイナーズライン』のほか、さらに小さいサイズの菰樽の中にオリジナルデザインのてぬぐいが入った『こもらぼ』、まるでマトリョーシカのように大・中・小3つの枡を重ねられるその名も『マスリョーシカ』など、ユニークかつ多彩なアイテムが製造・販売されています。めでたいパーティに出席する予定があるなら、ぜひチェックしてみてください!
(価格・ラインナップは2017年5月現在のものです)
公式サイト:http://www.komodaru.co.jp/
¥7,000(税別)