こんなに4月らしくない4月は生まれてから初めてですね。
しかし現実はどうあれ、このコラムはいつも通りいきたいと思います。
今回は、IDカードホルダーを手直ししますよ! 4月ですし!!
このカードホルダーは東京に転勤してきた時に作ったもの。ということは、すでに使用すること丸8年くらい。もう糸がほつれてほつれて……。麻糸の場合、糸が一番先にダメになるんですよね。
革自体は経年変化ですごくいい味が出てるのでそのまま活かそう。今回は糸だけ縫い変えます。
僕の勤めている会社はセキュリティとしてドア横のセンサーにIDカードをかざさないと中に入れない。
カードだけを単体で持つようにすると100%忘れる。平日ならコンコンとノックすれば中にいる誰かが開けてくれ「てへ、ありがと」
で済むけど問題は休日出勤のときだ。
一人の時にカードを室内に忘れて外に出ると、もう二度と入れない。ホテルのオートロックで同じことをやったことがある人もいるんじゃない?
その場合はビルの守衛さんに頭を下げて社名やら名前などを記入。そしてマスターキーで開けてもらうことになる。凄腕だ。
それを防ぐために首から下げる紐もしっかりとつけ肌身はなさない。
エンゼルマークを集めていた少年の日々
IDカードって当たり前なんだけどカードなんだよね。上で書いたように僕らは日々、カードに踊らされているのではないか。お店のポイントカードなんか特にそう。
とは言いつつも、僕もツタヤとワオンカードだけポイントつけてもらっている。ワオンカードの「ワオン」っていう鳴き声は最高に可愛いよね。
その他、ちょっと前までコーヒーショップのスタンプカードのスタンプを集めていました。(これは急にカードが廃止になり僕は虚無になった……)
集めるといえばチョコボールのエンゼル。
おそらくほとんどの人がご存知、あのお菓子についている金と銀のエンゼルのことだ。
金のエンゼルは一枚、銀のエンゼルだと五枚集めると「おもちゃの缶詰」という謎に包まれた賞品がもらえるのは周知の事実。
実は何を隠そうぼくは、過去に二回もおもちゃの缶詰をゲットしたことがあるのだ。
金のエンゼル
記憶をなんとか辿ってみる。一回目はそう、小学生の時だ。
当時、母親が買い物の際に気まぐれでお菓子を買ってきてくれていた。そのお菓子に僕はずっとチョコボールのキャラメル味をリクエストしていた。今でも好きなんだけど当時はあのチョコと中のキャラメルのハーモニーにぞっこんだったのだ。
母も毎回お菓子を選ぶのがめんどくさかったのだろう。いつの間にか兄弟全員のお菓子がチョコボールになっていた。
兄たちの当時の反応を思い出すと特にチョコボールが好きだったわけでもなかったように思う。完全に僕のせいである。
ある日、いつものようにパコッとくちばしを起こすと見慣れない色の天使が目に入った。
き、金色だ……。
一瞬、僕は何が起きたのかわからず硬直したが次第に事態を理解し始めた。
当たったのだ。金のエンゼルという最高の栄誉が。
これがいったいどれくらいの確率かはわからないが、あの伝説の金のエンゼルマークを僕は見事に引き当ててしまったのだ。
興奮して兄たちに見せにいく。
兄たちは少し驚いたもののやはりすでに中学生。おう、よかったな、なんて軽くあしらわれてしまった。
それでも僕は興奮しつつ、封筒を母親にもらい金のエンゼルを切り取り丁寧に送った。
届いたおもちゃの缶詰
数日後、僕宛にあの森永製菓から荷物が届く。もちろん中身はわかっている。
おもちゃの缶詰が届いたのだ。
わくわくしながら開封するとそこには紛れもなくおもちゃの缶詰としか呼べない、でかい缶が顔を出した。
おそるおそる蓋を開けてみる。
……さて、ここで中身についてがっつり解説していきたいところだが、中身についてはトップシークレットのはずである。
ググったら出てくるのかもしれないが少なくとも僕はそれを明かす気はない。それはキョロちゃんとの約束だ。掘った穴の中だけに叫んでおく。
かくして僕の部屋(当時は兄と共同で使用していた)におもちゃの缶詰が誇らしげに飾られることになった。
これが一つ目のおもちゃの缶詰だ。
2つ目のおもちゃの缶詰
時は流れ、僕は中学一年生になっていた。
さて、子供達のたまのお菓子は相変わらずチョコボールのままだ。よほど母親は選ぶのがめんどくさかったとみえる。
かのスティーブ・ジョブスも毎日同じ服装にし、選択するという行為を極力減らして重要な選択に集中していたらしい。
うちの母の方がジョブスの先をいっていたのかもしれない。もしかしたらマッキントッシュは母が作っていたかもしれない。
中学一年といえば思春期に足を踏み入れる時期だ。小学生の照れの文化から一気に性への意識が生まれる時期。
当時、僕はバスケットボール部。同じ体育館を使用するバドミントン部の三年生、Tさんに密かに憧れを抱いていた。
それは付き合いたいとかそういうものではなく、ただただ少し年上の女性への憧れのようなものだったと思う。
Tさんはバスケ部の先輩と仲が良かった。分け隔てない性格のせいか、僕らモブキャラの一年生にもあふれんばかりのお色気と愛想を振りまいてくれる。そんな魅力的な人だった。
そんなある日、小学校の時から蓄積された銀のエンゼルがついに5枚たまってしまった。まさか2回目のおもちゃの缶詰チャンスである。
しかし、2回目ともなると初回より喜びも新鮮味も落ちるのは仕方ない。ほら、映画だって大抵の映画は初回が一番面白かったりするでしょ。
もう一度おもちゃの缶詰が我が家に届いた。おもちゃのデザインが少しだけリニューアルされてはいるが基本的に同じものが入っていた。
僕の部屋には二つのおもちゃの缶詰が並べられた。
おもちゃの缶詰を当てて学校で話題になる
缶詰に入っていたおもちゃの中で一つ、カバンにつけられるようなものが入っていた。デザインはもちろんあのキョロちゃんだ。(「カバンに付けられるようなもの」でもう何か分かってもらえると思うが明言はしない)
学校ではカバンの他に学校指定のナップサックという、体操着や部活の道具などを入れるリュックのようなものをみんな使用していた。
ある日、そのナップサックに僕はキョロちゃんをつけて学校に行った。
キョロちゃんは可愛い。その可愛さが気づかれないわけはなく「それどうしたの?」なんて聞かれる。
その度に僕は「ああ、おもちゃの缶詰が当たったんだ」とクールに答えていた。
さすがおもちゃの缶詰。これを言うとみんな食いついてきてしばらく話題にことかかなった。
そんなある日の部活終わり。Tさんがいつものようにバスケ部のところにやってきた。
僕と目が合いTさんが言う。
「あ、おもちゃの缶詰当てた子でしょ〜。知ってる〜」
動揺してしまい、うまく返事ができなかったのを覚えている。まさか三年生のTさんのところまで噂が広まっているとは。恐ろしい。
しかし僕にとってはTさんに認識してもらえてドキドキする嬉しい出来事だった。
もちろん、Tさんとはそれ以上の話題があるわけではない。
そしてさらに僕のキョロちゃんは二日後に盗まれてしまった。さすがキョロちゃん。
大人になって思うこと
あの缶詰はいつの間にか僕の部屋から消えていた。僕が自分で処分したのか、母が処分したのかは覚えていない。
今でもコンビニやスーパーでチョコボールを買うことがある。その度に少しだけTさんに話しかけられたことを思い出す。Tさんは今頃どこで何をしているのだろうか、と考えなくもない。
おもちゃの缶詰を二回ゲットした人を僕は知らない。一回でも当てたと言う人にもまだ出会ったことがない。まあ、おもちゃの缶詰の話にそもそもならないのだけど……。
今はキャラメルよりピーナッツの方が好きなのは大人になった証拠だろうか。
金のエンゼルを当てたのは小さな小さな誇りではあるが、正直宝くじが当たる方が良かったなあ、と思うくらいに大人になった僕の心は曇っている。
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