vol.27 挿し木

今年の2月ぐらいに挿し木をはじめた。
去年もやっていて、そのときは2本ぐらいしか成功しなかったけどおもしろかったので、今年も春が近づいたらやってみようと2月になると「も、もう春かなぁ?今の季節に挿し木できるものはあるかなぁ…」とSNSで「挿し木」で検索したりしてウズウズしていた。

その後本格的な春が来て、長い外出自粛期間があって、その間に家にあるいろんな植物の枝を切っては土に挿して、じっと待つ、をやり続けた。
待つ時間がとにかく長くて全然暇つぶしにもならないし、途中で抜いて根が出ているか確かめてもいけないらしい。ウズウズする…。根が出ているか確かめたい…。

そして1ヶ月ぐらい経ち、外もすっかりあったかくなり、さすがにそろそろいいだろうと思って挿し木した枝たちをそっと引っぱってみた(本当は2週間でいいのかもしれないけど、早めに抜いてだめにしてはいけないと思い念のためじっくり待った)。根っこが生えていそうな手応えがあったものは思い切って抜いてみた。

すると、根っこが出ていた……!

オレガノ、ローズマリー、ホワイトソルトブッシュ、ラベンダーの挿し木に成功した。小さな小さな枝にしっかり根っこがついているのを見てとてもうれしかった。

マーガレットは根が出ないまましおれてしまって、ピンクの花がとてもかわいくて増やしたいなと思っていたのでもう1度挑戦することにしてみた。

何度かやってみては失敗して、その次は切る位置を変えて、根元に近い太めの枝を使ったら、しばらくして無事に待望の根っこが生えてきた。
ラベンダーもつぼみがついているものは挿し木の状態で花が咲いて、花を咲かせるのにエネルギーを使うからか根っこが生えてこないことが多いということがわかった。

初心者なので最初は上手くいかないことが多かったのだけど、試行錯誤しながらやっていって、やり方を変えると成功したりして、だんだん上手くいくコツがわかるようになるのがおもしろかった。
待ち時間は長かったけど、軌道に乗ってくるとなんだか日々が楽しくなってきた。

そうやって増えていった小さな小さな植物たち。梅雨を迎えてあんなにか細い印象だったのが嘘のように元気に生き生きと育っている。

私にとってはただただ苦手な梅雨も、日も長く、雨も多くて植物にとっては恵みの季節なんだなぁと、ちょっとだけ愛おしく思える。

これからも根っこをぐんぐん伸ばして大きくなってほしいなぁ。

2006_2

amycco.さんの著書「文鳥ちゃん」

yabai

文鳥ちゃんは、羽のお手入れと恋に夢中な白文鳥の女の子。
人間の「あきぴょん&えみ夫妻」と一緒に楽しく暮らしています。
ところがある日、文鳥ちゃんはあきぴょんに恋をしてしまい……
あきぴょんをめぐる恋の三角関係の行方は……?
¥1,512(税込)

『文鳥ちゃん』

amycco.著
出版年月日 2016/4/19
ページ数 111p
定価 本体1,400円+税

amycco.

amycco.prof

イラストレーター。

雑誌や書籍、雑貨などを中心にイラストレーターとして活動中。毎日文鳥に怒られている。

『文鳥ちゃん』(洋泉社)発売中。

公式サイト:http://amycco.com/