文鳥がいなくなって1ヶ月半ぐらい経った。
ホームセンターに行くたびに、「文鳥のごはんも買って帰ろう」と思っては「あっ、もう文鳥はいないんだ…ごはんいらなかった…」と思い直す。
うっかり文鳥のごはんを買って帰ろうとしたり、文鳥の水替えたっけとハッとしたり、ふと癖で文鳥がいつもいたところに目をやったり。
文鳥がいなくなった実感がちょっとずつわいてきたはずなのに、ふとしたときに文鳥がまだいる前提で動いてしまう。
うっかり文鳥のごはんを買って帰ろうとしてしまう実感のなさがなんだか文鳥の気配のようで愛おしく思えて、文鳥がいないということをいつまでも実感したくないような気がする。
実のところ、水を替えなきゃとハッとする回数はもうかなり減ってしまった。
いつも文鳥がいた鳥かごの方を無意識に振り返る回数もだんだん減ってきた。
文鳥のことはいつも思い出しているのに、
気配が、だんだん消えていってしまう。
そうやってだんだん受け入れていくのだろうと思うのだけど、それがなんだかさびしい。人生の、文鳥と一緒にいたところからだんだん遠くに来ているみたいでさびしいのだ。
文鳥の写真も動画もスマホのストレージが満タンになるぐらい残っているけれど、今まで一緒に暮らした記憶だってなくなりはしないけど、
少しずつ、文鳥の体温を、やわらかい羽の感触を、首の後ろの甘いにおいを、思い出せなくなってしまうのかなぁ。
まだまだ実感したくない。しばらく実感がわかないままでいたい。手に乗ったときの重みを思い出せるぐらい、まだまだ思い出と近いままでいたいなぁ。
amycco.
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