『Blackboard』は目黒通りの家具店『karf』がプロデュースするビンテージショップ。1960年代アメリカ、1950年代北欧など、特定の年代や地域をコンセプトにするショップが多いなか、時代や国の枠を越えた独自のミックススタイルを提案しています。マンションの1室をリノベーションした店内は隠れ家のような雰囲気。ほの暗い空間に、使い込まれた家具の味わいが引き立ちます。
世界中から集めてきたビンテージ家具
ベーシックで長く使い続けられる家具を提案してきた『karf』。その創業の原点ともなったビンテージをもっと追求すべく立ち上げたのが、こちらの『Blackboard』です。
「入り口にあるのは60年代のデンマークのテーブルですね。こちらは100年以上前のイギリスの椅子。最近ではベルギーまで足を伸ばして、買い付けに行くこともあります」と、店内を案内してくれたのはストアマネージャーの岩舘さん。
店内には無機質な感じのファクトリーランプに、丸みがあってかわいらしい北欧のビンテージ家具、みごとな装飾の施されたイギリスのアンティークと一見、対照的にも見える家具や雑貨が集められています。世界中から集めてきたジャンルもスタイルも異なるモノたちに共通するのは、何十年も使われてきたものだけが持つ独特の存在感や、現代の家具にはない世界観です。
「たとえば、こちらの木のデスク。この色や質感は100年以上かかって出てきた表情です。こういった風合いは新品ではなかなか出せません。買い付けの際にも素材の質感にはかなりこだわります」と岩舘さん。
「ゆるみを直すなどの構造的なメンテナンスはしますが、手をいれ過ぎず、なるべくその朽ちたような表情を残すようにしています」
組み合わせ方を聞くなんて、もったいない!
ビンテージの家具は大抵、一点物でセットやシリーズでは売られていません。そのため、接客中「チーク材のコーヒーテーブルならTV台もチーク材で合わせるべき?」といったように、家具の組み合わせ方を聞かれることが多いそう。でも、そこは固く考えずに好きなものを選んでみてほしい、と岩舘さんは言います。
「自由に好きなものをチョイスしていくと、正統派ではなくても、その人ならではのオリジナルな空間ができあがると思います。4人掛けのテーブルに、4種類の好きな椅子を組み合わせてもいい。色々とミックスする楽しさを味わってほしいですね」
気ままに選ぶと統一感がなくなるのではないかと聞いてみると、その心配も無用とのこと。直感で「いいな」と思ったものを組み合わせれば、“自分の好みのもの”という共通点があるので自然とまとまります。
また、自分の好みがまだハッキリしないビギナーさんなら、ここでまず傾向を掴むのもあり。ジャンルもブランドも越えて、幅広く集められた家具や雑貨のなかから気になるアイテムを探してみて、そこから「自分はどんなところに惹かれたんだろう?」と掘り下げていくのもいいかもしれません。
壁に引っ掛けてある工具など、どことなく男性的な雰囲気を漂わせる『Blackboard』ですが、男女を問わず人気です。
世界のビンテージを自由に楽しむスタイルは誰でも気軽に始められます。新品にはない素材感をちょっと取り入れてみたい、他では見かけない珍しいものに出合いたいという人は一度、訪れてみては?
PHOTO by Yusuke Nishimura
Blackboard
素材の質感のほかにも、ビンテージの見どころはあります。たとえば、古いデンマークの家具。全体のシルエットが『karf』に置いてあるような現在の北欧家具とも似ていて、今の家具へと続くデザインの系譜が見てとれます。また、加工機械が発達していなかった時代、精密に仕上げた職人の技術にも驚かされます。ぜひ、ビンテージのおもしろさをじっくり味わっていってください。
by ストアマネージャーの岩舘さん
東京都目黒区中町1-6-14 宝恵マンション201
Tel. 03-6303-3064
Fax. 03-6303-3046
Email info@blackboard-k.com
12:00 – 19:00 水曜日定休(祝日は営業)、年末年始休み
https://www.karf.co.jp/blackboard/