何となく寂しくて、誰かと話がしたい時。逆に誰とも話さずに、1人で部屋にこもりたい時。新しい仲間と、新しいことにチャレンジしたい時……。どんなお仕事をしていても、どんな生活を送っていても、ふと訪れますよね?
そんな願いを一度に叶えられるなら? それも、とびっきりオシャレな空間で、お出かけするわけでもなく、どこかに連絡するわけでもなく叶うなら??
そんな夢みたいな話……、さまざまな可能性のタネが落ちているこの場所なら、あるかも知れませんよ!
もっと自由に。もっと自分らしく。その選択肢を広げたい。
シェアハウス事業を通して、住まいの新しい形のみならず、ライフスタイルや人とのつながり方までも提案・発信していくリビタ。現在では住宅の範囲をこえて、さらなる事業展開を見せています。
たとえば、2014年に横浜・みなとみらいにオープンした『BUKATSUDO』という空間。 “街のシェアスペース”と銘打たれたその場所は、同じ趣味を持つ人で集まるコミュニティを活性化させるスペースとして、たくさんの人を集めるのに成功しています。
「ここは『シェアハウスにおけるラウンジスペースを街の中につくったらどうなるか』という考えから生まれました。名前のとおり、テーマは“大人の部活動” 。『レコード部』や『餃子部』、『マラソン部』など、趣味や習い事を好きな仲間同士でシェアする場所になっています。大人が集まると、部活をつくりたくなるんですよね(笑)」
就業人口が8万人を超えるとされるみなとみらい地区。しかし、ほとんどの人が仕事が終わるとすぐに帰宅してしまい、滞留させられないという問題を抱えていたとのこと。その現状を打破すべく、この土地が持つ特性や、仕事帰りの理想の形を多角的に考え抜くことで、『BUKATSUDO』は出来あがります。
「また、この場所はもともと造船所の跡地で、立地的に人が入り口へと誘導されにくいというデメリットがありました。施設内には飲食店があり、かつてはカラオケなどもあったのですが、やはり分かりにくい。その分かりづらさを“秘密基地感”へと変換することで、空間をリブランディングするところから始まったんです」
その場所が持つ文脈に新しいストーリーを付加し、デメリットをメリットに変換することで、人々が集い、楽しめる仕掛けを入れ込む。そこにリビタの真骨頂があるのかも知れません。
「『the C』という物件もそうです。ここはJR神田駅から徒歩7分の場所にあるオフィスビルでした。この“徒歩7分”という距離。住居として考えるとそれほど遠くはないのですが、オフィスとして考えるとかなりストレスに感じてしまいます。しかも、新しいオフィスとして建て直すには中途半端なサイズという問題もありました。
そこで私たちがプランニングして、シェアオフィスを併設したシェアハウスに用途変換させて生まれ変わったのが『the C』なんです。実はこの場所、地下鉄の大手町駅も徒歩圏内。したがって、その地域にお勤めの方が次々と入居されています」
すべての場所にすでに出来あがった同じパッケージを当てはめていくのではなく、建物の“くせ”や、土地の特性、周りの住環境を丁寧に紐解き、適切な処置をほどこすことで、新しい価値へと変換する。そこには時代の潮流や、その時々の人々の価値観に対して、常に柔軟に向き合うリビタの姿勢が現れています。
「それこそがリノベーションの面白さですからね。すでにある文脈を活かしながら、いかに新しい価値を足すことができるか。例えば、どうしても動かせない柱や、耐震構造的に外せない補強用の部材などが建物にはあります。それを“制約”と考えるのではなく、あえてむき出しにすることでデザイン的な価値に変換させて『クールでしょ?』と打ち出せば、面白がってくれる人もたくさんいるんです。そういったエッセンスをプラスすれば、古い建物にも新たな価値が吹き込まれますよね」
オリジネーターでありながらもイノベーターでありつづけるリビタ。2016年には、金沢にて宿泊施設『THE SHARE HOTELS』の1号店を開業するなど、“シェア”という概念をさらに広げつつあります。はたして次の構想はあるのでしょうか。
「いま考えているのが、ファミリー向けのシェアハウスです。これは近い将来、かならず形にしたいと思っていますね。日本には昔から長屋や集落というコミュニティがあり、そこでは家族以外の大人と適度な関係を持ちながら、子どもが育ってく環境が育まれていました。
昨今、とくに都会では夫婦だけで子育てをしないといけない家族が増えて、それが故にいろいろと大変な状況が生まれています。昔ならおじいちゃんやおばあちゃんが両親のすぐそばで子育てを手伝ったり、ご近所さん同士で協力しあったり、そういった慣習がありました」
家族向けのシェア型住宅が一般化する日がくれば、日本の村社会の古き良き文化がその場所で継承され、たとえば待機児童の問題や、母親が働きにくい状況といった社会的な問題の解決にも貢献することができるかもしれません。とはいえ、単身者向けと比べると、クリアにしなければいけないことがまだまだあるとのこと。
「やはりファミリー向けの物件となると、水回りを各専有スペースにつくる必要があるかもしれません。また、子育てに関する考え方もそれぞれの家庭で大きく変わるので、何をどこまで共有させるかをきちんと考えないといけない。ただの“パーティールーム付きのマンション”になってしまうなら、我々がやる意味がないですからね。
そういった諸問題を、運営面で、もしくはハード的に工夫を凝らすことで解決できるんじゃないかなと思って、取り組んでいるところです」
「 『こうやって暮らしたい!』と願っている人がいたとして、それを実現するハードがないのは悲しいことですよね。私たちはシェアハウスの事業を通して、自由な暮らし、自分らしい生き方、他にはない住み方……そういった選択肢を広げたいと考えています。これからも、その解決策をどんどん提案していきたいですね」
多様化するライフスタイルや価値観や、暮らし方……。そこに“住まい”が追いついていない現状を打破したい。
まだ見ぬ“住の可能性”を更新しつづけ、拡充しつづけるリビタのその様は、非常に勇敢で、クリエイティブで、そして新しい生き方を望む多くの人たちにとって、とても優しいものでした。
PHOTO by Kaori Nozaki / ReBitaより支給
株式会社リビタ / シェアプレイス
株式会社リビタ
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TEL:03-5468-9225 (代表)
営業時間:9:00-19:00
定休日:土日祝休
株式会社リビタ
https://www.rebita.co.jp/
シェアプレイス
http://www.share-place.com/
WRITER'S VOICE
空室はなかなか出ないようなので、こまめなチェックが必要ですよ!
サイトを見てもらえればわかりますが、どの物件も、とにかく外観、内観ともにオシャレ。他の何よりも、それが第一印象です。こんなかっこいい空間に住めるなんて、なんだか、にくい! ずるい!! くやしい!!(笑)
お二人の話によると、現在管理しているのが約1,000室で、事業開始からカウントすると4,000人以上の方が住んだそうです。やはり今や、シェア生活は本当に普通のことなんですね。確かに一人暮らしのように住むこともできるわけで、あまりデメリットって見当たらない。賃貸暮らしの方、次の更新のタイミングあたりで、どうですか?