関西を中心に活躍する女性フローリスト、Tommyさん。ただ黙々と作業に没頭する自分自身を、工業製品などを作り出す工場に見立てて『Tommy製作所』という屋号で、お花や様々な植物のある空間や暮らしを提案してくれます。
そんな彼女が、いま力を入れている『花贈り』というサービスとは? すぐにでも始められるお花の楽しみ方とは? 実際にお花をアレンジしながら、トークは進んでいきました。
王道を外した、ナチュラルな素材選び
そして転機が訪れます。長く勤めた結婚式場を卒業し、フローリストとして独立したのです。
「今はまだ緩くなりましたが、結婚式場のお花って制限が多いんです。例えば、もし当日に仕入れることができなかったら大変なので、基本的には確実に手に入るものを選ばないといけません。私はもっと自由に、季節のお花を使ったり、提供したかった。それもあって、独立を決心したんです」
案外知られていませんが、お花の仕事は、青果や鮮魚、精肉といった生鮮食品を扱う業者と同じように、早朝から市場に足を運び、種々の花木の中から気に入ったものを仕入れていきます。彼女の場合、その工程をかなり重んじているようです。
「私にとって、仕入れ時のインスピレーションはとっても大事。頭に描いていたものが、市場で変わることも多々あります。昔から変わり者で、何に関しても王道を外す感じでした。だから一般的に選ばれやすいお花は選ばないことが多いですね。
今日ここにあるのは、ドラセナやアルストロメリア、ドウダンツツジなどですね。例えば赤を選ぶとしても、できるだけ渋い赤色が好きなんです。色合いを大切に、ナチュラルなイメージを作り出したいと思っています」
工房にある花や枝を見ていると、確かにあまり見慣れないものが多いようです。また、思ったよりエレガントさや、華やかなイメージもありません。 明るいというよりは、深さを感じさせる色味が、落ち着いた印象を際立たせています。
「私が好きなお花は、例えばあじさい。オシャレで色合いがとてもいいですよね。 長持ちして枯れてもそのままでキレイ。あとはブラックベリーなどの実ものも大好きです。 ここにあるもので言うと、力強いドラセナや、軽やかなイメージのドウダンツツジもいいですね。みんなに愛される植物です」
PHOTO by Genki Hisada
Once a month 花贈り
毎月一度、Tommyがセレクトする季節感あふれるお花をみなさまのもとへ。
初回はフラワーベースつき。2回目以降はアレンジをセットするだけなので、いらないフラワーベースもたまりません。
¥6,000(税込)