vol.02 愛用品その1【WORKERS’ BOX(ハイモジモジ)】2/3
リノスタの記事で商品を知ってから即ポチ。今では会社と自宅で50冊以上は使っているというまでに、編集長・雨森が愛用する『WORKERS'BOX』は、もちろん巷でも大人気。リリースから2年近くたった今なお、テレビをはじめとした各種メディアに引っ張りだこなのは、みなさん、ご承知のとおりですよね。
自他ともに認める“収納マニア”である雨森が惚れ込んだその実力とは?? 開発にいたった背景や、ものづくりに対する志とは? ハイモジモジの松岡さんと松田さんをお迎えして、お話をききました。貴重なプロトタイプなども登場しますよ!
(取材日:2019.03.27)
Theme 2「必要は発明の母。“〇〇の箱”が感じさせた大きな期待」
【2-1】「売れる」と思った自信作。なのに出てきた言葉は……
雨森:WORKERS’ BOXが産まれるまでの経緯は、公式サイトで見ましたよ。比較的、お片付けが苦手な松田さんが……
松岡:「比較的」ではないです。
松田:はい。ガッツリ苦手(笑)
雨森:そうですか(笑)。そんな松田さんが、とにかく自分のワークスペースを整理したいという思いがあって、そこから始まったんですよね。
松田:そうです。私たちはたくさんアイデアを出し合いながら、2人ともが納得できたものを発売するようにしています。このWORKERS’ BOXに関しては、試作の段階で、私の中では「いい!」「見えた!」と思ったんですが……
松岡:僕は何がいいのか、まったく分からなくて。出た言葉が「ただの箱やん」っていう。
松田:ひどいですよね(笑)。私は試作の状態から、すでに自分で使っていたんです。するとグチャグチャだった部屋が見事に片付いていって。とても便利だと思ったし、売れるとも思ったんですが、とにかく彼の反応が冷たくて。
松岡:正直、はじめは、本当によさが何も分からなかった。これがはじめの試作品なんですけどね。
雨森:おぉ、これは貴重な!!
松岡:ね? ただの箱でしょ(笑)。「これの何がいいの?」って正直に伝えました。
雨森:まあ確かに箱と言ってしまえば、箱でしかないか……。そもそも、商品の企画は、どのように行うんですか? 「さぁ、企画しよう!」みたいな、それ用の時間をもうけているのでしょうか。
松岡:いや、それはまったくありません。僕たちは私生活もずっと一緒なので、例えばご飯を食べている時に「こんなのがあったら便利じゃない?」みたいな感じで。
松田:ほとんどは“思いつき”からだよね。
松岡:そう。だから、事業計画みたいなものは立てたことはないし、「◯曜日は◯◯をする」みたいなことも決まっていません。「思いついたらやってみる」っていうだけですね。
雨森:なるほど。でも、そんなに思いつくものですか?
松岡:はい。すぐに思いつきますよ。もちろん、ほとんどが商品化される前にボツになりますけどね。
【2-2】マーケットインの発想はなし。とにかく、自分たちがほしいものを。
松岡:はじめの試作品の後、いろいろあって、こんな感じになります。
松田:これはもう完成形にだいぶ近いね。
松岡:この商品をつくっている頃、僕たちの中でも、一度ものづくりに対する姿勢を見直さなければいけない時期でした。それまでは『Kneepon from Nippon!』と銘打って、「なるほど!!」とヒザを打つようなことをやってきたつもりです。ただ、『Deng On』をはじめとした商品が、ある程度の評価を受けたことで、手応えも感じたし、ノウハウに加えて、“変な知恵”がついてしまったんですよね。
雨森:というと?
松岡:「こうすれば売れる」みたいな知恵というか。無意識のうちに、お店のバイヤーさんをターゲットに商品開発をしていたような気がします。本当のお客さんは、さらにその奥にいるはずなのに。
松田:「目新しさ」とか「奇抜な発想」を押し出した、“一発ネタ”のような商品になってしまっていたね。
松岡:そう。そういうのは、長続きしないんです。毎回ホームランを打たないといけないし、「次は失敗できない」みたいなプレッシャーもあって、アイデアも保守的になってしまう。「このままではイカン!」と思って、頭の中を一度リセットして、彼女が本当に必要だと感じるのであれば、突き詰めてほしいと伝えました。で、その結果、出てきた試作品は、“ただの箱”でしたけど(笑)
雨森:また言ってる(笑)。でも、もちろん「自分たちがほしいものをつくる」というのは大切な考えだとは思いますが、やはりメーカーとして商品開発を行う時は、市場のニーズを分析して、誰に対して、どれくらいの価格で売るか、みたいなことを考えるのが基本的なやり方だと思います。もちろんそういうことも一応は……
松田:考えないですね。
雨森:あら(笑)。それでも売れるからすごい……
松田:でも、私たち2人が、今の消費者のど真ん中にいるっていう認識はあるんです。自分がいいと思うものを買うと、だいたいそれが人気ナンバーワン商品だし。良くも悪くも、飛び抜けた2人ではないなと。だから自分たちがほしいものをつくれば、それで大丈夫だと思っています。
雨森:では世の中にリリースする時は、常に売れる自信がある状態ですか?
松田:そうですね。特にWORKERS’ BOXはそうでした。整理整頓が苦手な私が、試作品の段階で使っていて、実際にすごく片付いたので。
松岡:うん。僕も世に出る段階では、イケると思っていましたよ。最初のは“ただの箱”でしたけど。
雨森:また言った!!(笑)
(つづく)
過去のリノスタでの紹介記事はこちら(2017年12月4日公開)
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ハイモジモジ
Kneepon from Nippon!
ハイモジモジは思わず膝をポンと打つ、アイデアあふれるプロダクトを発信しているデザイン・ユニットです。