リノスタの記事で商品を知ってから即ポチ。今では会社と自宅で50冊以上は使っているというまでに、編集長・雨森が愛用する『WORKERS'BOX』は、もちろん巷でも大人気。リリースから2年近くたった今なお、テレビをはじめとした各種メディアに引っ張りだこなのは、みなさん、ご承知のとおりですよね。
自他ともに認める“収納マニア”である雨森が惚れ込んだその実力とは?? 開発にいたった背景や、ものづくりに対する志とは? ハイモジモジの松岡さんと松田さんをお迎えして、お話をききました。貴重なプロトタイプなども登場しますよ!
(取材日:2019.03.27)

Theme 3「自分たちがほしいものを、知り合いに売る感覚で。原点はいまだそこにある」

【3-1】オンラインでの直販が叶えた適正価格と、ユーザーとの距離感。

雨森:そして最後のポイントは、安いということ。

松岡:それはネットで直販をするようになったからできる価格ですね。これに関しても、この商品を世に出すにあたって、考え方を変えたところです。もちろん、小売店を否定するつもりはまったくないんです。買う前に実際に手にとってもらうメリットはありますよね。ただ、モノによっては、直販の方が響く場合もあるんじゃないかなと。

雨森:WORKERS’ BOXは、まさにそうですよね。

松岡:そうなんです。使い方の提案込みの商品なので、説明をしないと商品のよさやコンセプトが伝わりません。だからネットでしっかりと読んでもらって、納得してもらった上でポチってもらうのが自然な流れだと思うんです。これがお店に置いてあって、お客さんが手にとったとしても「う〜ん……、、、“ただの箱”やな」って。

雨森:アハハハハ! また!!(笑)

松田:でもそうなるよね(笑)

雨森:確かに、このアイテム自体が提案の要素を含んでいるし、“収納”というもう少し大きな概念の提案でもある。もっと言うと、それはつまり“暮らし方”とか“生き方”の提案までも含んでいるといえますよね。

松岡:はい。まさにそうです。だからこそネットでの直販に適していたし、それが故に価格も抑えられました。

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    「文房具が多いのはたまたま」と語る松岡さんには、今後、より幅広いジャンルでの活躍が期待されます。
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    自身のワークスペースがすっきりと片付いた松田さん。よりそのクリエイティビティに磨きがかかることでしょう!

雨森:あと、僕がいいなと思ったのが、公式サイト上で、ワーカーズボックスを入れるのに適した市販のカバンを紹介していたり、あと、ミニサイズの専用スタンドをつくるためのテンプレートを用意していたり。

松岡:はいはい。やっています。

雨森:ああいうのって、直接的な利益にはつながらないことですが、今の企業にとっては、非常に大切なブランディングの要素だと思うんです。ユーザーとの信頼関係を築くための直接的なアプローチですよね。「おもしろい」を超えて「感動」しましたよ。

松田:ほんとうですか? もともとワーカーズボックスは、自分たちが必要だからつくった商品。だから、それを入れるカバンも、自分用に探すのであれば、その情報をサイトに載せておけば、みんなが助かるかなっていうそれだけです。カバン探しには、かなり苦労したので。

雨森:やっている側からしたら、大した動機ではないのかもしれないですが、とはいえ、言わば大ヒット商品であるワーカーズボックスの生みの親でもある本人が、いまだにそういうちょっとした便利情報を届けているわけですからね。そういった姿勢は、本当に大好きです。

松岡:これまでの商品は、友人や知り合いが「おもしろいね!」とか「これ、いいじゃん!」とか言ってくれるわりに、買ってはくれなかったんです。「新作も期待してるよ!」とか言われて、「いやいや、じゃあこれを買ってよ」みたいな(笑)。でも、ワーカーズボックスは、そうではなくて、実際に買ってくれた。つまり「友だちだから」ではなく、一消費者として「ほしい」と思って、お金を出してくれたわけです。そういう手応えは初めてでしたね。だから、今でも「顔の知らないお客さんに売る」っていうより、「友だちに売る」っていう意識があるのかも知れません。もちろん、ネットで発信する以上、不特定多数向けではあるけど、友だちに「こんな使いやすいカバンがあるよ」って、勧めている感覚で発信しているんです。

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    “思いつき”が“ただの箱”となり、そして多くの人にとっての必需品となりました。

【3-2】時代の追い風を受けて、さぁ次は、どんな思いつきから、何をつくる?

雨森:今後も、大きく『文房具』というカテゴリの中で、商品をリリースしていく予定ですか?

松岡:いえ、文房具っていうのはたまたまなんですよ。実際、猫を飼い始めた時には猫じゃらしをつくったし、ふたりとも帽子が好きなので、帽子用の収納ボックスをつくったこともります。つまりは生活の中で、ほしいと思ったものを作ってきただけ。その中で、紙を扱うのが得意だから、たまたま文房具が多いっていうだけなんです。だから、いまだに「文房具メーカーです!」っていう意識はまったくないですね。

雨森:なるほど。ちなみにワーカーズボックス、売れる自信はあったとおっしゃっていましたが、ここまでのヒットは予想していました?

松田:う〜ん、もっと時間がかかると思っていましたよね。使ってもらえれば、評価してもらえる自信は、本当にありましたよ。でもそこまでに時間がかかるだろうなと。

松岡:そうですね。むしろ「時間をかけたい」と思っていましたから。一気にドーン! と売れるのではなく、ジワジワと売れて、いつの間にかスタンダードになっていく売れ方がいいなと思っていました。でもツイッターで急激に話題になってしまって。

雨森:そうですね。でも逆をいえば、本当にいいもので、そのよさをきちんと伝えれば、世の中がきちんと評価してくれて、勝手に話題にしてくれるというのは、時代の追い風ですね。

松岡:それは本当にそうですね。とてもありがたかったです。

松田:私は今日ここにきて、片付けが苦手じゃない人にも使ってもらえているのが、びっくりでしたね。うれしい誤算でした。ありがとうございます!

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    お二人の“思いつき”が、これからも世の中に驚きを与えていく。

(おわり)

過去のリノスタでの紹介記事はこちら(2017年12月4日公開)

片付けの魔法を、かけてあげる。【WORKERS’ BOX】

WORKERS' BOX

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10冊セット / ¥3,999(税込み)

Writer's Voice

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僕と松岡さんとは、なんと同じ大学の同じ学部出身(もちろん面識はありませんでしたが……)。ライター業をやっていて、ネコを飼い、さらにサッカー好きと共通点まみれで、「今のところ経歴がすべて同じですね」なんて盛り上がりました。

もともとはそれぞれ、いわゆる広告業をやっていたお二人。今はメーカーとして活動されていますが、そんなお二人に影響を受けて、オリジナルのプロダクトをネットで販売するようになった、なんて言う人も増えているようですよ。う〜ん、羨ましい! 僕も、何か思いついたら、ちょっとやってみようかな……。

ハイモジモジ公式サイト:https://www.hi-mojimoji.com/