緊急事態宣言が解除された。
まだまだ今までどおりの生活ができるというわけではないけれど、3歳児と毎日朝から晩まで2人きりの長い長い春休みも今月末でいったん終わりだ。
こんなにも休みが長く出かける先も限られていると、やることがなくなって退屈するんじゃないかと思ったけど、そんなことはなかった。
子は毎日歌を歌い、道に咲く花を集め、私が捨てた空き箱や段ボール箱を拾ってきてはつなげて組み立て、部屋の中にビー玉を転がすためのスロープを作ったり、箱と霧吹きをくっつけて水の出る消防車を作ったりと飽きることなく過ごしていた。
赤ちゃんのときからずっと、目の前にあるもので遊びを考えて遊ぶ、ひとり遊びの達人なのだ。
遊びの内容は毎日子が主導で考えていて、何回か「一緒に合唱しよう」と誘った以外は私から何か提案することもなかった。
毎日何してても楽しいという感じで、やりたいことがありすぎて、そろそろ昼寝をしようと言うと「あと1こだけ やりたいことがあるの」「ねんねだけは したくない!」と言うほどだった。
2歳からやっているトイレトレーニングははかどらず、本当はできるのにやる気がなくて進まない状態がずっと続いている。
「ねんねだけは したくない!」と言い張るほど遊びに夢中なので、なかなか寝ようとしてくれなくて生活のリズムも乱れがちだ。
でも毎日の遊ぶ様子を見ていて、この子はそれらと同じぐらい大切な、今あるもので楽しく生きる力をぐんぐん育んでいるなとうれしい気持ちになった。
何もできない赤ちゃんだったのに、何もかもしてあげないといけなかったのに、いつのまにか大きくなって先の見えない日々の中で子の優しさやほがらかさに助けられているなぁと思うことが多くなった。
限られた環境の中で楽しみ、なにもないところから遊びを見つける力があれば人生はずっと楽しめる。
見守るぐらいしかできることはないけれど、このままのびのびすくすくと育ってほしい。
