“シェア”市場の拡大で、多様な豊かさを実現する【ひつじ不動産】

“オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産”。シェアハウスに関するポータルサイトとして、物件の紹介だけでなく、関連するイベントや市場調査レポートなど、さまざまな角度からシェアハウスに迫る情報を発信し、圧倒的な人気を博しています。
今回は、そのひつじ不動産がプロデュース・運営するシェアオフィス『PoRTAL』にて、立ち上げ人であり、運営会社の代表を務める北川さんにお話を伺いました。
サービスのスタートに至った経緯から今後の展望まで、ライフスタイル提案としても、“メディア論”としても、深さ、濃さともスペシャルな内容でお届け。シェア生活を考えている人も、シェアハウスの事業者も、はたまた空き物件に困っている物件のオーナーやメディア運営者も、必見の内容です!

ぶれずに、硬派に、市場拡大を目指して。

さまざまな要素が奇跡的に結びつくことで、当時の外人ハウスに“ギリギリ”存在していたライフスタイルや価値観。一瞬でそれらに魅せられた北川さんは、そこに大いなる発展性を感じると同時に、同じくらい大きな危うさを覚えたと語ります。

「当時の外人ハウスは、とても小さな市場だったし、管理体制なども非常に荒削りな状態。文化として広がりつつもありましたが、その過程の中でダメになってしまう可能性もあったし、一度なくなってしまうと、もう元に戻ってこれない領域にあると感じたんです。

でも僕はそこにあったものがとても好きだったので、なんとかこれが持続し、さらに進化、発展し続ける方法はないか、そして直接的に自分がそこにコミットできる事業はないかを考えたんです。それがつまりメディアの運用であり、プラットフォーム事業でした」

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    激レア画像!? オープン時のサイトはこんな感じでした!

そうして2005年、晴れてシェアハウス専門の不動産メディア『ひつじ不動産』がリリースされます。スタート時の掲載物件数はたった数十棟。市場規模の小ささをそのまま物語っています。

そこから現在に至るまで、マーケットメイクを目的に、ぶれることなく硬派なメディア運用が行われてきました。その目的を達成するために、自らにいくつかの縛りが設けられます。まずは『普通の人のシェア生活』という大テーマ。

「すごくお金がないわけでもないし、クリエイティブな仕事をしているわけでもない。もちろん『シェアのためなら死んでもいい!』なんてわけでもない(笑)。

私たちが考えるシェアハウスは、たとえば都心のオフィスビルでエクセルを叩いているOLさんのような、いわゆる“普通の人”が、特に強い意志を持つわけではなく、フラフラ〜と住み始めることができるような、そんなものなんです」

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    ここが『PoRTAL』の入り口。開けてびっくり……

次に『キュレーションをせず、フラットに情報を発信する』ということ。昨今では、世の中に出回る無数の物件から『オシャレな〜』『リノベーションをした〜』など、何かしらの基準を満たすものだけを掲載していく『セレクト型メディア』が隆盛を誇っていますが、ひつじ不動産はそうではありません。

「明らかに違法性があるものや極度に管理状態が悪いものを除いて、すべてを掲載する。それがひつじ不動産のルールです。そもそも、スタートの時点でストックがありませんし、すべて載せないとメディアとして数が足りなかったという事情もありました(笑)」

セレクト型のキュレーションメディアは『掲載物件は、すべていい』というのが前提です。しかしひつじ不動産の基本スタンスは、『いいものも悪いものもそのまま掲載し、好きか嫌いかはユーザーが決める』というもの。その前提に立ち、サイトのスタートから一貫して正確でフラットな情報を発信し続けています。

「とにかく、優良誤認をさせるようなことがあってはいけません。ユーザーが現地に行ってがっかりすることがないよう、良くも悪くも、ありのままを伝えています。そうすることで、まず単純に衛生状態が全体的に向上しますよね。オーナーは、自分の物件が他と比べて汚いとは思われたくないですから。

もちろん物件の管理者サイドから「このように紹介してほしい」と打診されることもあります。しかしそういった要望を受け入れていくと、ユーザーが本当に自分にあった物件に出合える確率が下がっていって、プラットフォームとしての信用がどんどん損なわれていく。そうではなく情報がフラットであればあるほど、メディアとして使えるものになりますから」

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    打ち合わせもピン! ポン! と進むかな?

最後に『プレイヤーにはならない』ということ。これがとても大事なルールです。

「繰り返しになりますが、マーケット全体が拡張していくために存在するプラットフォーマーであり続ける。それが私たちの目的であり、使命です。自分たちがプレイヤーになる、つまりシェアハウスを持って運営すると、『ノウハウを隠してしまおう』と考える時も来るでしょうし、それはむしろ市場拡大を止める方向に動いてしまう。プラットフォーマーがそうなった時点で、少なくとも質的な発展は止まると考えています。

そもそも自分たちの物件を持ちながら、メディアも運営すれば、他社の物件と自社の物件を100%平等に扱うことができなくなる。そうすると必然的に情報は歪んでくるし、ユーザーはすぐにそれに気づきます。マーケットメイクのためには、プラットフォーマーはプレイヤーになってはいけない。これは曲げられないポリシーです」

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    サービス精神が旺盛な北川さん。ぶっちゃけトークが続きます。

そしてさらに、最終的な目的として、北川さんのとてもパーソナルな動機につながることも、こっそりと教えてくださりました。

「この市場が拡張されていって、その恩恵を自分が享受したいんですよ(笑)。先にも話した通り、そもそもは僕自身が、当時の外人ハウスが好きだったことから始まっていますから。

プラットフォーマーとして市場を活性化させて、才能のある人にたくさん出てきてもらい、市場全体がものすごく進化するというのが僕が描いた理想像です。それを最終的に、僕自身が楽しみたいなって。完全に受け身の人間なので(笑)」

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PHOTO by Kaori Nozaki / ひつじ不動産より支給

オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動産

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シェアハウスの総合メディア。

2005年5月末の運営開始から、シェアハウスという文化の拡大と歩みを合わせ、その時々の市場全体の様々な課題の解消などに向き合いつつ、日々地道な取り組みを続けています。

URL:https://www.hituji.jp/

PoRTAL

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