目黒通りにはエリアの活性化を目的として、さまざまなジャンルのショップが集まった『MISC(=ミスク)』というコミュニティがあります。主に家具屋さんで形成されているのですが、中には家具自体は扱っていない店舗もいくつか加盟しているんです。
実は使い方も、楽しみ方も、いろいろ。
東急東横線の代官山駅からほど近く、アパレルショップが立ち並ぶ一角にあるビルの2階。そこが海外のファブリックを専門に扱う『イオニア』のショールームです。素材もデザインも、1枚として同じものはない生地が一面に並んでいます。私たちの生活とは切っても切り離せない布。しかし、家具のように明確な用途が決められているわけではありません。そんな自由な素材をどうやって生活に取り入れるのか。その提案がここには溢れていました。
「カーテンひとつを取り上げても、生地をどう使うかで空間とのバランスを調整することができます。たとえば、この夏に発表されたスペインの老舗メーカー、ガストンダニエラのコレクション。色鮮やかで柄もはっきりとしているため、1枚で使うには主張が強いと感じる方が多いと思います。でも、無地の生地と組み合わせて、目線の高さだけに柄を配置すると、ほどよく馴染むんですよ」
お話の中には、目からウロコの使い方が次々と出てきました。布と布、布と家具、布と床など、その組み合わせは無数に存在します。そう考えると、今までの布との付き合い方はほんの一部しか見ていなかったのかもしれません。
「ソファも生地の切り替えを上手に工夫してみてください。例えば、座面は強度も考えて選んで、背面はカーテンやラグと同じ生地にする。そうすれば、布のアレンジだけでお部屋に統一感とオリジナリティを出すことができます。
私たちは1枚の布を売って『それでおしまい』ということはしたくありません。できる限り、トータルコーディネートをお客さまと考えていきたいんです」
1枚のカーテンが帰る場所をつくる。
ショールームを訪れる方からは、「海外旅行で見かけた、あの布を探している」「ソファに使う生地を1から選ぶため」なんて声もちらほら。十人十色のファブリックを提供する企業として、代表の齋藤さんにはひとつの思いがありました。
「日本だと“目隠し”や“遮光”といった機能を重視して、カーテンを選ばれる方が多い印象です。しかし、それだけを目的にするのは、もったいない。なぜなら、朝起ればまずカーテンを開けてその日の天気を確認するし、日が暮れたら閉めて生活しますよね。つまり、実は頻繁に視界にも入り、また、毎日のように使っているのがカーテンなんです。
そう考えれば、なんとなく買ったものよりも、自分の気に入ったものがつけられていた方が、日々の気分も上がるのではないでしょうか。そして、そのカーテンが見える場所が少しずつ好きになってくると思うんです。それがソファや壁紙、クッションのカバーでもいい。それをきっかけにして、ずっと居たくなるような場所を家の中につくってもらいたいと考えています。実際、入念に選んでカーテンを購入されたご家族から『お父さんが早く帰ってくるようになって嬉しい』という声が届いたこともあったんですよ」
誰だって、お気に入りの服を手に入れたら、テンションは上がって、早くそれを着て出かけたくなるもの。同じように、お部屋もオシャレをさせてあげる気持ちを持てば、カーテンやラグ、ソファに使われている生地への意識も変わってくるのかもしれません。
現在の日本では、家を建てて、家具を購入し、そのあとにカーテンやラグ。そんな流れが一般的に感じます。でもちょっと待ってください。ソファはその生地がベストですか? サイズにあったという理由だけでカーテンを選んではいませんか??
インテリアにこだわって、空間を自分好みに仕上げたいのであれば、ポイントになるのは「布」かもしれませんよ。
PHOTO by Yusuke Nishimura
IONIA
私たちがご提供する商品は「販売して本当に暮らしが豊かになるか」をポイントにしています。スペインやイギリス、アメリカのメーカーを主に取り扱っていますが、それぞれ国によって特徴があるんです。ご自宅の雰囲気や、選ばれた家具がどんなテイストなのかなどを考えながら、より良い空間づくりのお手伝いをさせてください。きっと想像以上にイメージも膨らむと思いますよ。
by ショールーム担当の鳴川さん
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